UKのエソテリックから、08年新規24ビット・リマスターでのリシュー。デニー・ジェラルドは南アフリカ出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、60年代中頃に渡英してバリー・ヤングハズバンドとウォーム・サウンズ(ソフト・サイケ系のデュオ・グループ)を結成、ヒット曲もあったので知っている人もいるかも知れない。本作は、ウォーム・サウンズ解散後の70年にUKデラム・ノヴァからリリースされたソロ名義唯一のアルバムで、ボーカル、アコースティック・ギター、ハーモニカのジェラルドを軸に、トニー・ヒル、サイモン・ハウス、ピーター・バヴリ、ロジャー・ハッデンのハイ・タイドの4人が全面的にバックを担当している他、曲によってリン・ハズバンド、スー・ヤングの女性コーラスが入る。プロデュースはジョージ・チキアンツ。ギター弾き語りスタイルのジェラルドのアシッド・フォーク色と、ハイ・タイドのバンド感の強いロック色が妙なマッチングを見せていて、結果としてアングラ・マナー十分のアート・ロック的サイケ然とした仕上がり。その意味では、ウォーム・サウンズ的ソフト・サイケ路線や、内省的で淡々としたフォーク調を期待するとスカされると思うが、楽曲はソフト&メロディアスなものが多く、キャッチーな聴きやすさは担保されている印象。ゆえに、ハイ・タイド的なものだけを期待するのも違う感じだが、一聴してヒルと判るあのツンノメリ・ギターが随所で鳴っていて、メインストリーム感とアングラ感が微妙なセンスで融合した、ともかくも変テコで面白いサウンド。わりと正しくサイケなブリティッシュ・ロックの好盤と思う。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Art Rock,SSW / Jewel-case CD(2008 24bit Re-master) / Esoteric/UK)
Denny Gerrard(vo,ac-g,hmca)
Tony Hill(el-g)
Simon House(org,vln)
Peter Pavli(b)
Roger Hadden(ds)
Lyn Husband(vo)
Sue Young(vo)
J.J.Mackey(words,reading)
Produced by George Chkiantz
収録曲目
01.Nature Son
02.True Believer
03.Hole In My Shadow
04.Last But One
05.Rough Stuff
06.Stop It Or Drop It
07.Autumn Blewn
08.Eye For An Eye
09.Atmosphere