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プログレってどうなの? 6 ~ イエス的ハードネス

店長日記セレクト
サード・イアーの密かな愉しみ~プログレってどうなの? 6

ーサイケの亜流としてのプログレの死 1~プログレの定型としてのイエス的ハードネスー

以下、友人S、店主K。 


S「以前にさ、サード以降のイエスはすでにプログレじゃないって・・・・」。

K「うん、基本的にハード・ロックだと思うよ。ジョン・アンダーソンのクリアーな声やブルース色の薄い楽曲は不良色がないから、いわゆる巷のハード・ロックの定型イメージにあてはまらないだけ。勿論プログレ色はあるけどね」。

S「なるほど不良の香りね、確かにしない。でも、スティーヴ・ハウの高音の効いたギャンギャン系のギターのヤカマシさや、クリス・スクワイアの弾きまくるベースのドライヴ感なんか・・・・」。

K「どう聴いてもハード・ロックだよ、それにビル・ブラフォードのタイトなタイム感のドラムも」。

S「南の空や燃える朝焼け、シベリアン・カートゥルとかね、そう捉えるほうが自然だな」。

K「天国への架け橋やザ・フィッシュ、同志とかも、ハード・ロック・バンドのやるアコースティックやサイケ&プログレって感じなんだよ」。

S「天国への架け橋、名曲だよね、短いけど。同志は響きが心地好いし、ザ・フィッシュの多重ベースはサイケでカッコいい。ところで、ファーストとセカンドは、CSN&Yとかバッファロー・スプリングフィールドの影響が強いと思うけど」。

K「うん、他にもバーズ、サイモン&ガーファンクル、あとやっぱりビートルズじゃない?」。

S「ああ、カヴァーしてるものね、リッチー・ヘヴンスも。単に好きってだけじゃないよね、明らかに影響を受けている」。

K「コーラス・ワークなんかモロにCSN&Y的。曲作りやオーケストラの使い方はリヴォルバー以降のビートルズ的で、メロディはポール・サイモン辺りからの・・・・」。

S「そうそう、アメリカのアーティストからの影響が強い。だから、シングル・ヒット狙いってわけじゃないけど、初期イエスは基本ポップだよね、メロディアスで聴きやすい。でも、バーズやCSN&Y辺りが好きってことは当然・・・・」。

K「ドラッグ絡みになる。スクワイアやアンダーソンは勿論、全員当然通ってるんじゃないかな。まあ、ポップなのは初期に限らないけど」。

S「うん、つまり初期2枚のポップネスはサイケの香りがある。けど、サード以降は薄くなっていく・・・・ハウなんかも前歴からするとバリバリなんだけど・・・・」。

K「トゥモロウとボダスト、完全のその筋のテクニカラー・サイケ系だからね。でもトゥインクによると、当時からハウは浮いてたし目立ってたみたい。カントリー調のものすごい速弾きする変なギター小僧がいるって・・・」。

S「ギターがドラッグそのもの的なタイプ。とにかく弾くのが好きで一日中ギター抱えてる上手い人」。

K「そんな人いるね、まさにギター小僧。だけど、スクワイアとアンダーソンは、わりと早い時期からドラッグ抜きの方向を模索してたんじゃないかな」。

S「つまり、ドラッグ絡みでインプロやるとムラが出る・・・」。

K「うん、ドラッグ絡みじゃなくても、基本的にインプロは2度と同じ演奏にならない。ツェッペリンみたいにそれがカッコいいバンドもあるけど。でもイエスはそうじゃなかったんだよ、きっと。アンダーソンはインプロが苦手だったろうし、トニー・ケイとピーター・バンクスはムラが大きかったんじゃない?。それなら、構成とアレンジをガッチリ決めちゃって演奏のボトム・アップを計ろうと・・・・」。

S「なるほど、作曲段階からインプロを排除する方向。セカンド以前とサード以降の間にある深いミゾだね。バンクスが抜けちゃって、でも上手い具合にハウが加入して・・・・」。

K「その方向性が決定的になった、そしてケイもやめちゃう」。

S「ケイは、オルガン以外弾きたくないとかでクビになったって話もあるけど、別にピアノとかも弾いてたよな」。

K「ア・ヴェンチャーとかね、隠れた佳曲。それにバジャーでは伸び伸びとメロトロンなんかも弾いてるし、多分、スクワイアとアンダーソンのガチガチ路線がイヤになったんだろうね」。

S「そうだな、そしてリック・ウェイクマンが加入して、巷で言われるプログレの代表格としてのイエスになる」。

K「だから、ハード・ロックだって・・・・」。

S「わははは、こだわるね。あくまで巷で言われるプログレってことでさ。で、サード以降なら?」。

K「う~んサード以降か・・・・トータルでの出来のよさならリレイヤーかな。トゥ・ビー・オーバーはおいといても、錯乱の扉とサウンド・チェイサーはちょっと異常というか、尋常じゃない」。

S「ああ、パトリック・モラーツ。あのアルバムは凄いな、危機を超えている」。

K「うん、危機は無理無理な部分が多いからね、そこが面白いところでもあるけど、ともかくも同志の美しさで救われてる。リレイヤーは、無理が無理じゃなくなってるというか、スッキリとクリアーなのに濃密で、演奏の凄さはやっぱり尋常じゃない」。

S「モラーツだから可能だったってところもあるのかな。ヒャラヒャラ系のウェイクマンだと・・・・」。

K「この重厚な構成は無理だったろうね。ウェイクマンのキーボードは華麗だけど装飾的だから、楽曲の根幹に深くはコミットしない」。

S「うん、お客さん的だものな、いつも。特に海洋地形学の物語なんか、あまりやる気ない感じだったし」。

K「他のメンバーがベジタリアンになったのに、1人だけ肉をパクついてるとか・・・・」。

S「はははは、そんなこともあったみたいね。でも海洋地形学は巷では評価低いようだけど、売れちゃった危機の次で、ブラフォードも抜けちゃって、サードから危機までを相対化しよとしたというかさ・・・・」。

K「そうそう、危機路線を相対化して別のことをやろうとしたんだろうね。必ずしも上手くはいってない感じだけど」。

S「かったるいとか、どう聴いていいかわからないって意見が多いけど・・・・」。

K「前半の3曲は、4曲目の儀式で盛り上がるためにあると考えればいいんじゃない?」。

S「そりゃ長いイントロだね、前半の3曲もわりとサイケで悪くはないんだけどな」。

K「うん、悪くないけど、やっぱり長過ぎるんだよ。長過ぎて散漫になっちゃってる。ウェイクマンだけじゃなくて、スクワイアもあまりノッてない感じなんだよね」。

S「アンダーソンはのめり込んでる感じがする。彼主導だったんだろうな。スクワイアのコミットが浅いから散漫になっちゃった」。

K「多分ね。プロデュースがゆるいって感じ。その意味では惜しいけど、それまでの成功した路線と違うことを新たに試みたってことで、面白いし悪い作品ではないよ」。

S「そういえば、アンダーソンはソロでも海洋地形学の前半みたいなことやってたな」。

K「サンヒローのオリアス?、確かに同じような散漫さ加減だね」。

S「それに比べ、スクワイアの未知への飛翔は素晴らしい」。

K「あぁ、あれはカッコいいね」。

S「イエスじゃないんだけどほとんどイエスというか、ボーカルがアンダーソンじゃないイエスというか、イエス的なるものの坩堝・・・・」。

K「うん、イエスの中核はスクワイアが担ってると認識させられるし、それは別としても濃密で文句なしの傑作だよ」。

S「あと、アラン・ホワイトやモラーツのソロもよかった」。

K「ホワイトのはプログレではないけどね、元リフ・ラフのメンバーとかがいていい味だしてるよ。スワンプ&ブルース系の好盤。モラーツのストーリー・オブ・アイは、ブラジリアン・パーカスが凄い」。

S「うん、ジェフ・バーリンとかアルフォンス・ムーゾンとかがいて、バカテク系としてまともにカッコいいな。でも、このリレイヤーとそれに続く74年~75年のツアー後、ちょっとお休みしてリフレッシュしましょうって意味での、各メンバーのソロ作品だったみたいだけど、結局そのままモラーツが抜けちゃうよな」。

K「そうね、サイケの亜流としてのイエスの終了」。

S「結局、究極以降はそれまでのパターンの再生産に陥ってしまった。しかも妙にキャッチーで、さらにはベジタリアンをアピールしてイメージ戦略も計り出す・・・・」。

K「究極やちょっと異質なドラマ、90125のロンリー・ハート以外なんかも、普通にカッコよかったりするんだけど、もう異常さがないんだよね。しかも縮小再生産だからどうしても洗練されたポップネスが支配的になって行く。ベジタリアン云々も音楽と関係ないよね、どうでもいい」。

S「究極以降は逆にハード・ロックじゃなくて、ある意味巷で言うところのプログレの定型なんだけどな。でも、だからこそ、まさにプログレが死に体になって行く時期でもあるということか」。

K「う~ん、死に体というよりは、やっぱりもうすでに息の根は止まってる気がする。モラーツの抜けた穴に、ウェイクマンが出戻っちゃダメだよ」。

S「はははは、そうだな、新たな発展性がないものな」。

K「次回はジェネシスやって、そろそろ終わらさないと・・・・」。

S「うん、了解」。

コメント

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■ アンド なーーんもわ・・・


アンド

なーーんもわかってないwっスね
ノー | 2013-10-15 19:21 |

■ 究極以降、ろくに聞いて・・・

究極以降、ろくに聞いてないのもろバレですなぁ
そんなレベルで語ろうなんて良い根性してるよ
あほらし | 2013-10-13 12:55 |
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