(中古/USED CD):93年のフランス・オコラ盤/輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A- (プラケ爪跡&スレ少) / DISC=A
本作は、83年にフランスのオコラからリリースされた、チベットのボン教僧(ボンポ)によるボン教伝統儀式音楽を録音したアルバムで、アルゼンチン人民族音楽学者のリカルド・カンシオが、81年3月から83年4月にかけてチベットのボン教寺院で録音した音源、カンシオによるライナー&曲解説を掲載した24ページのブックレット付、プロデュースはピエール・トゥレイユ。ボン教は、8世紀に仏教が伝来する以前から信仰されていたチベットの民族宗教で、その古来の形態を色濃く残した「原始的なボン」と、11世紀以降に仏教との習合によって発展した「ユンドゥン・ボン」に大別されるようだが、カンシオの英文ライナーを斜め読みした程度では、どちらのボン教の儀式なのかは判らなかった。1,2曲目が読経とブラス、パーカス&金物、3曲目が読経、4曲目がブラス、パーカス&金物で、読経の内容は全くわからないが、ハーモニー・コーラスの感じはチベット仏教の読経に通底していて、さらにテンポをゆったりとスローにしたような印象。ブブゼラやチューバ、トロンボーン辺りを彷彿させる、ドローン感内包のブラス隊と、シンバルや銅鑼、鈴、太鼓を軸としたパーカス&金物も、やはりチベット仏教に近似していて、するとおそらくは「ユンドゥン・ボン」のほうなのかも知れない。呪術的空気感はあるが、全体に『聖なるスピリチュアル性』のほうに収束している感じで、暗黒感やダークネスはあまり感じられず、流していてけっこう心地好い好盤と思う。
輸入盤
(Trad&Folk/Sutra-reading,Drone / Jewel-case CD(1993) / Ocora/France)
Tibetan Bonpos(sutra-reading,brass,bells,chimes,per)
Recorded & Art Directed by Ricardo Canzio
Produced by Pierre Toureille
収録曲目
1.Chant De Louange Dedie A La Divinite Protectrice Midu
2.Ceremonie De Propitiation De Nag-Zhig
3.Chant D'Offrandes A L'Occasion Du The
4.Tambourinement De Louange A Shenrab