(中古/USED CD):89年の日本MSI/ライン・ミュージック盤/国内流通盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A / DISC=A
バート・ヤンシュはグラスゴー出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)兼ギタリストで、何よりペンタングルでの活動で知られていると思うが、ペンタングル結成以前からすでにソリストとして活動していて、その後も11年に他界するまでソロや幅広いセッション活動を続けたビッグ・ネーム。デイヴィー・グレアムを師匠と仰ぎ、自身はジミー・ペイジやディック・ゴーハンを始めとして多くのギタリスト達からリスペクトを受けた、アコースティック・ギターの名手。本作は、71年にUKトランスアトランティックからリリースされたソロ名義セクス・アルバムで、89年ドイツのライン盤に国内のMSIがオビ・解説を付けた国内流通盤、ライナーは牛沢朗、歌詞付。ビル・リーダーのプロデュースの下、全編バートのギター弾語りスタイルで通していて、奥さんのヘザー・ヤンシュによるスリーヴの版画のイメージ通りの、寓話的でしっとりとした湿った英国の香り漂う落着いたサウンドを展開。「ジャック・オライオン」ほど暗くもなく「ニコラ」ほど明るくもない、適度な内省感を放つ中庸な曲調のチューンが多く、ゆったりした空気感の中でくぐもったメロディが胸に染み込んでくる感覚は、わりと独特の甘美な心地好さを放つ。トラッド・チューンが3曲ある以外はバートのオリジナルか他人のペンによる曲で、ボーカル・チューンの中にバロック調のシブいギターソロ・チューンなども織り混ぜ、ヤンシュ特有のツブヤキ感と乾いた木漏れ日感が交叉する、見事な統一感のある仕上がり。全体にバタ臭さは薄く、アンバーなエレガントさが顕われている印象で、特にたおやかなギター・アルペジオが印象的な1曲目と、枯れた内省的な味わいの2曲目ですでにノックアウトされる。トラッド&フォーク系文句なしの好盤と思う。心地好し!。
MSI盤
(Trad&Folk/British Trad,SSW,Blues / Jewel-case CD(1989) / MSI,Line Music/Japan,German)
Bert Jansch(vo,g)
Producerd by Bill Leader
収録曲目
01.Tell Me What Is True Love/真実の愛
02.Rosemary Lane/ローズマリー・レーン
03.M'lady Nancy/ナンシー
04.Dream A Dream A Dream/夢、夢、夢
05.Alman/アルマン
06.Wayward Child/ウェイワード・チャイルド
07.Nobody's Bar/ノーバディーズ・バー
08.Reynardine/レイナーディン
09.Silly Woman/愚かな女
10.Peregrinations/遍歴
11.Sylvie/シルヴィー
12.Sarabande/サラバンダ
13.Bird Song/バード・ソング