(中古/USED CD):93年の日本イースト・ウエスト/ワーナー盤/国内盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A (黄バミ少) / DISC=A
アレアはミラノ出身のグループで、デメトリオ・ストラトスやパトリツィオ・ファリセッリが中心となって72年に結成されている。ギリシア人であるデメトリオのバルカン地方の伝統歌唱スタイルを取り入れた独特のボーカルと、世界でもトップクラスであろう尋常ならざるバカテクな演奏が錯綜する、イタリアン・プログレ屈指の変態感を放つ唯一無比で希有なビッグ・ネーム。本作は、78年にイタリアのアスコルトからリリースされたセヴンス・アルバムで、見開き内スリーヴをプリントしたインサート入、ライナーは斎藤千尋、歌詞対訳付(田中裕生訳)、邦題は「1978」。79年6月にデメトリオが白血病で急逝したため、デメトリオ在籍最後の作品となった1枚で、メンバーは、往年の5人からギターのパオロ・トファーニが抜けた、デメトリオ、ファリセッリ、ジュリオ・カピオッツォ、アレス・タヴォラッツィの4人編成だが、音の薄さなどは微塵も感じられない非常にノリのよい圧巻の演奏を堪能出来る。従来のバルカン・エスニック色を交えたジャズ・ロック基調に違いはないが、バルカン以外の地中海音楽の要素や現代音楽的実験色、都会的なジャズの洗練感が縦横に交叉していて、全体にフレーズがキャッチーで聴きやすく、バカテクの爆発感も申し分ない。アヴァン・ギャルドなフレーズ、フリーフォームなインプロヴィゼイションの変態感はかなりのもので、トーキングも絡めたストラトスのボーカルも絶好調の感じだが、スッキリとコンパクトに纏めてスピード感に収束させた、洗練された形での提示には強面な難しさはない。シニカルな歌詞も含めかなり濃密でヘヴィな内容だが、飄々と楽しげな態度がともかくも凄いというかカッコよく、およそ文句なしの好盤と思う。
国内盤
(Progressive/Jazz Rock,Psyche / Jewel-case CD(1993) / East West/Warner/Japan)
Demetrio Stratos(vo,kbd)
Patrizio Fariselli(kbd,syn)
Ares Tavolazzi(b,ac-g,tb,tp)
Giulio Capiozzo(ds,per,vib)
Produced by Area
収録曲目
1.Il Bandito Del Deserto/荒野の追放者
2.Interno Con Figure E Luci/形と光の中
3.Return From Workuta/ワークータから帰る
4.Guardati Dal Meses Vicino/4月頃から
5.Hommage A Violette Nozieres/精神錯乱
6.Ici On Dance!/イシ・オン・ダンス
7.Acrostico In Memoria Di Laio/ライオの記念
8."fff" (Festa, Farina E Forca)/fff
9.Vodka Cola/ウォッカ・コーラ