オランダのミュージック・オン・CDからのリシュー。特にリマスター表記はないが、音質はクリアでよい。モイア・ブレナンは、アイルランド北方のドニゴール地方出身のトラッド・シンガー&シンガー・ソング・ライター(SSW)で、何よりクラナドでの活動で知られていると思う。本作は、94年にUKのRCAからリリースされたソロ名義セカンド・アルバムで、メンバーは、ボーカル、ハープ、キーボードのモイアを軸に、前作から引き続きのドーナル・ラニー(ex.プランクシティ,ケイト・ブッシュ,etc)、カラム・マルコム、ナイジェル・トーマスの他、デイヴィー・スピレーン、アンソニー・ドレナン、グレッグ・ボーランド、エオーガン・オニール等のムーヴィング・ハーツ組、モイティン・オコナー(ex.デ・ダナン,etc)、ジェームズ・デラニー(ex.クラナド,etc)、ニコ・ブルースや、ディー、ブライディン、オリーヴ・ブレナンのモイアの妹達が曲によって適時参加。概ね、前作の延長線上にあるアイリッシュ・トラッド基調のポップス的様相のサウンドで、アイリッシュ・トラッドを基調としたメロディやリズムを随所に織り込んだオリジナル楽曲を、洗練されたアレンジで展開していて、その意味ではやはり80年代以降のクラナドのポップネスに近似する印象。今回のバックの核はラニーとスピレーンのようで、プランクシティとムーヴィング・ハーツの流れを汲むトラッド感と、80年代以降クラナドの洗練されたメロディ、くぐもり感、浮遊感等々が非常によいマッチングを見せる。上等な演奏と涼やかな空気感はともかくも心地好く、前作同様にこの線としては文句なしの好盤と思う。
輸入盤
(Trad&Folk/Irish Trad,SSW,Pops / Jewel-case CD(2018) / Music On CD/Holland)
Maire Brennan(vo,harp,kbd)
Donal Lunny(bzki,bdrn,kbd)
Anthony Drennan(el-g,ac-g,dobro)
Davy Spillane(u-pipe,wsle)
Calum Malcolm(kbd,syn)
Mairtin O'Connor(acdn)
Nico Bruce(d-b)
Nigel Thomas(ds,log-ds,per,djembe,bell)
Dee Brennan(vo)
Olive Brennan(vo)
Bridin Brennan(vo)
Paul Buchanan(ac-g)
Greg Boland(el-g)
James Delaney(kbd)
PJ Moore(kbd)
Robert Bell(b,kbd)
Eoghan O'Neill(b)
Noel Eccles(per)
Scottish Chamber Orchestra(orch)
Produced by Calum Malcolm, Donal Lunny, Davy Spillane, Greg Boland, The Blue Nile
収録曲目
01.The Days Of The Dancing
02.A Place Among The Stones
03.The Watchman
04.An Fharraige
05.Pilgrim's Way
06.Big Yellow Taxi
07.The Mighty One
08.Heroes
09.Misty Eyed Adventures
10.Dream On
11.Eirigh Suas A Stoirin (Rise Up My Love)