国内のソリッド・レコードから、22年新規リマスターでのリシュー。フォーク・スチューディオ・Aはヴィチェンツァ県アルツィニャーノ出身のグループで、イタリアにあってはわりと珍しい、ブリティッシュ&ケルティック系のトラッドや、それに準じたオリジナルを演奏するバンド。結成は78年と古く、85年にファースト「フォーク・スチューディオ・A」をリリース、99年ライヴ「フォーク&ノーブル・ジグ」や17年サード「ディファレント・ウェイズ・トゥ・ミート・ユー」等を経て、現在もライヴ中心に活動している。本作は、91年にイタリアのアルティスからリリースされたセカンド・アルバムで、日本語ライナー付、多分初国内CD化。メンバーは、前作からのクラウディオ・ベッテガ、パオロ・スジェヴァーノ、ピエルエジディオ・スピレール、チジアーノ・ヴェドヴァートの4人に、新たにアニタ・ナシンベン、マルタ・ボルカーティ、パオロ・ブレッサンを加えた7人編成。概ね前作の延長線上にある、ほぼイタリア臭皆無の英語ボーカル・ブリティッシュ&アイリッシュ系トラッド方面変わらずで、「たいくつな捕鯨」、「ポンチャートレイン湖」、「美しい船ダイアモンド号」、「フェアウェル・トゥ・ターワシー」等のトラッドとオリジナルのリール等を交えて展開。ブズーキを軸としたアコギ、マンドリン、ヴァイオリンなどの弦楽アンサンブルには、ドーナル・ラニー/プランクシティ感はあるが、フルート、オーボエ、ホイッスル、リコーダー、ハーモニー・コーラス等々も文句なしに上等で、涼やかな透明感とケルティックな郷愁感も十分。洗練されたセンスとトラッド的情感が交叉する好盤と思う。
ソリッド盤/デッドストック入荷
(Trad&Folk/British&Celtic Trad,Folk / Jewel-case CD(2022 Re-master) / Solid Records/Japan)
Anita Nascimben(vo)
Claudio Bettega(ac-g,bzki,mdln,vo)
Paolo Sgevano(bzki,ac-g,12-g,vo)
Pieregidio Spiller(vln,vla)
Marta Bolcati(fl)
Paolo Bressan(oboe,wsle,rcdr)
Tiziano Vedovato(bdrn,per)
Produced by Unknown
収録曲目
01.Anthem For Absent Friends/Have A Nice Journey / 去った友たちへのアンセム/よい旅を
02.Weary Whaling Grounds/The Spanish Reel / たいくつな捕鯨/スパニッシュ・リール
03.The Lakes Of Pontchartrain/レイクス・オブ・ポンチャートレイン
04.Winds & Clouds/The Storm On The Hill/Over The Valleys, Under The Clouds / 風と雲/丘の上の嵐/渓谷の上、雲の下
05.Licabella's Air/リカベッラの旋律
06.Samhradh, Samhradh/夏、夏
07.Back Home In Derry/Sand's Theme/デリーへ帰ろう/サンズ・テーマ
08.Armood/アーマード
09.The Bonny Ship "The Diamond"/The Diamond Reel / 美しい船ダイアモンド号/ダイアモンド・リール
10.Farewell To Tarwathie/フェアウェル・トゥ・ターワシー