UKのオークミア・ミュージックから、見開きデジスリーヴでのリリース。ジ・アスキュー・シスターズはおそらくロンドン出身の姉妹ユニットで、07年にファースト・アルバムをリリース後、クライグ・モーガン・ロブソンとの共演も含め現在までに5枚のルバムを発表していて、姉のヘイゼルはレディ・メザリーでも活動中。本作は、19年にリリースされたフォース・アルバムで、ボーカル、メロディオン、コンサーティナ、フィドル、ベル等のヘイゼル、チェロ、フィドル、ボーカルのエミリーの姉妹デュオ編成、姉妹とジョン・ディッパーの共同プロデュース。概ね、トラッド・チューンを室内楽的なアレンジとフォーク調の演奏で展開していて、オーセンティックなトラッド的佇まいと、アシッド・フォーク的空気感が交叉。コンサーティナとフィドル&チェロが軸の楽器アンサンブルと、時折ハーモニー・コーラスも交えたボーカルのマッチングは、的を射たシンプルさながらある種の濃密さを放っていて、淡い情感と郷愁感がともかくも心地好いサウンド。『主役は曲』というトラッドへの敬意が、素朴なアンバー感を纏いつつ悠久の静謐さに収束していく感じで、空気の色と時間の流れが変わる文句なしの好盤と思う。このオーセンティック加減とアレンジのアプローチは、例えばシャーリー&ドリー・コリンズ姉妹の諸作辺りに近似する印象で、非常に上等で美しく、素晴らしい。
輸入盤
(Trad&Folk/Trad,Acid Folk,Progressive / Digi-Sleeve CD(2019) / Oakmere Music/UK)
Hazel Askew(vo,mdon,ctna,fdl,bell,trgl,shruti-box)
Emily Askew(fdl,cello,vo)
Produced by Emily Askew, Hazel Askew, John Dipper
収録曲目
01.I Wandered By The Brookside
02.Goose & Common
03.The Wounded Hussar
04.Georgie
05.The Zodiac/Joy After Sorrow/Minoway
06.My Father Built Me A Pretty Tower
07.The Firr Tree
08.London's Loyalty/Heady Days
09.Castle By The Sea
10.Moorfields