韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、70年のセカンド「カメレオン」からの2曲をボーナスで加えて(UKウッデン・ヒル盤と同じ)の、17年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様、オビ付。ザ・フェイマス・ジャグ・バンドは、インクレディブル・ストリング・バンド(ISB)を脱退してコーンウォールに移住したクライヴ・パーマーが、地元のミュージシャン達と68年に新たに結成したグループで、本作は69年にUKリバティからリリースされたファースト・アルバム。メンバーは、パーマー、ジル・ジョンソン、ピート・ベリーマン、マイケル・バートレットの4人編成で、プロデュースはピーター・リチャード。スワンプ基調のフォーク色、ISBからの流れを受けたサイケなストレンジ色、国籍不明の民族音楽色などが、中途半端なジグ調の演奏と虚ろげな雰囲気に収束する不思議なサウンドを展開。2,4,7,10曲目辺りのアシッド・フォーク的セピア感も含め、適度なギスギス感とアンニュイな木漏れ日感は、何というか一捻りある印象で、この後パーマーが結成するC.O.B.のサウンドにも繋がっていく感じもある。くぐもり感と芯の強さが同居するジルの女性ボーカルは、心地好い透明感があって美しく、下手ではないがダメダメ感十分のストレンジなバックと妙なマッチングを見せていて、このジャグを隠れ主役とした奇妙な味わいは、バンド名からしても狙い通りなのかも知れない。万人受けするタイプではないと思うが、ヒッピー系のルーズさと突き放したクールさが面白い、正しくサイケな好盤と思う。前述の通り、本作後パーマーは脱退してC.O.B.を結成。
輸入盤
(Folk&Folk Rock/Swamp,Acid Folk,Psyche / Paper-Sleeve CD(2017 Re-master) / Big Pink/Korea)
Clive Palmer(vo,bjo,g)
Jill Johnson(vo,g)
Pete Berryman(g,fdl,vo)
Michael Bartlett(aka.Henry VIII)(vo,jug,per)
Producerd by Peter Richard
収録曲目
01.Can't Stop Thinking About It
02.Nickolson Sq.
03.He Never Came Back
04.A Leaf Must Fall
05.Shaky Train Blues
06.The Only Friend I Own
07.Black Is The Colour
08.Saro Jane
09.Train On The Island
10.The Main Thing
11.Breakfast Blues
12.Sunshine Possibilities
bonus track(from "Chameleon"):
13.God Knows
14.Chameleon