UKのハイエイタスから、ポーリン・フィルビー関連音源5曲をボーナスで加えての、17年新規リマスターでのリシュー。ナルニアは、すでにフォーク系ソロ・シンガーとしてキャリアのあったポーリン・フィルビーを軸に、73年頃にロンドンで結成されたグループで、アフター・ザ・ファイアーの前身バンド的存在としても知られているかも知れない。本作は、74年にUKミルラ・レコードからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、ポーリン、ジョン・ラッセル、ピーター・バンクス、ティム・ハットウェル、ケネス・ディクソンの5人編成、プロデュースはトニー・フーパー(ex.ストローブス,etc)。バンクスは、イエス、フラッシュ等のバンクスとは勿論同名異人。概ね、フォーク・ロックやポップスを基調としたメロディアスなシンフォニック・プログレを展開していて、ポーリンの少しアニー・ハズラムっぽいボーカルも含め、スタイルとしてはルネッサンス辺りにも近似する感じ。楽曲はオーソドックスにロック調でクラシック色は薄く、その意味ではルネッサンス方面ではないが、メロトロンの多用やフレーズ、メロディのセンスは十分にプログレ的で、ドラマティックなアレンジもシンフォニック調の印象。バンド名とタイトル通り、C.S.ルイスの「ナルニア国物語」モチーフのコンセプト作品で、歌詞の内容はいわゆるクリスチャン・ロック方面だが、例えばKのサーカスの「ワン」に近い引き締まったシンフォニック・サウンドは、日本のプログレ愛好家にはわりとウケるのではと思う。前述の通り、この後ラッセル、バンクス、ハットウェルはアフター・ザ・ファイアーを結成。
輸入盤
(Progressive/Symphonic,Pops,Folk Rock / Jewel-case CD(2017 Re-master) / Hiatus/UK)
Pauline Filby(vo)
John Russell(el-g,ac-g,rcdr,vo)
Peter Banks(org,p,mltrn,kbd,ac-g)
Tim Hatwell(b,ac-g)
Kenneth Dixon(ds,per)
Produced by Tony Hooper
収録曲目
01.You'd Better Believe It
02.Muddy Ground
03.The Juggler
04.Agape
05.To A Fountain
06.Miracle Of Birth
07.In The Forest
08.Boogie For Narnia
09.Living Water
bonus track:
10.I'm Hungry (Pauline Filby Church Missionary Society single)
11.Jigsaw (from Pauline Filby/Show Me A Rainbow 1969)
12.Show Me A Rainbow (from Pauline Filby/Show Me A Rainbow 1969)
13.Believe (from Pauline Filby/Show Me A Rainbow 1969)
14.Satisfied Mind (from Pauline Filby/Show Me A Rainbow 1969)