UKのエドセルから、カップリング2CDでのリシュー。グリーンスレイドは、元コロシアムのデイヴ・グリーンスレイドとトニー・リーヴス、元サムライ、ウェヴのデイヴ・ローソン、元キング・クリムゾン、フィールズのアンドリュー・マックローチという豪華なメンバーで72年に結成されたグループで、ある意味スーパー・バンドといってよいと思う。本作は74年のサード「スパイグラス・ゲスト」と、75年のフォース「タイム・アンド・タイド」のカップリング2枚組。オリジナルは2作品ともUKワーナーで、各スリーヴはブックレット中に単独プリントされている。
サードは、上記の4人に曲によってクレム・クレムソン(ex.コロシアム,ハンブル・パイ,etc)やアンディ・ロバーツ(ex.プレインソング,etc)、グレアム・スミス(ex.ストリング・ドリヴィン・シング,VDGG)等々が適時ゲスト参加、バンドとジェレミー・アンソールの共同プロデュース、スリーヴ・デザインはキーフ。基本的なサウンドは前2作と同じだが、洗練されたポップ色と複雑で込み入ったアレンジが同居していて、全体としてはカンタベリー的プログレ感が増している印象。オルガン、エレピ、メロトロン、アープ・シンセ等々の丸い響きに、華やかではないが毅然とした格調とくぐもり感が感じられ、「想像されたウエスタンのテーマ」のカヴァーも含め演奏がカッコいい中々の好盤と思う。リーヴスは本作で脱退して、その後カーブド・エアへ。
フォースは、前作からのグリーンスレイド、ローソン、マックローチの3人に、新たにマーティン・ブライリーを加えた4人編成で、バンドとグレッグ・ジャックマン、ジェレミー・アンソールの共同プロデュース。ブライリーがクリス・スクワイア・タイプのピック弾きベース(時々ギターも兼任する)ということもあってか、前3作に比べより輪郭がクッキリとしたタイトで引き締まった印象。ローソンのシャウト・ボーカルもハネていて、ノリのよい派手さと適度なキャッチーさ、畳み掛ける複雑なアレンジといった要素は、メインストリーム・プログレ系のリスナーには一番アピールするかも知れない。つまり、時々とてもイエスやELPっぽい。本作でバンドは解散(00年に再編)、グリーンスレイドはソロ活動へ、ローソンはスタックリッジへ。人脈図付
輸入盤
(Progressive/Symphonic,Jazz Rock,Pops,Canterbury / Jewel-case 2CD(2011) / Edsel/UK)
収録曲目
(Disc1 "Spyglass Guest (1974/3rd)"):
Dave Greenslade(org,el-p,mltrn,cvnt,syn,glocken,hnum,per)
Dave Lawson(vo,p,el-p,cvnt,syn,sax,per)
Tony Reeves(b)
Andrew McCulloch(ds,per)
Clem Clempson(el-g)
Andy Roberts(ac-g)
Graham Smith(vln)
Jeremy Ensor(rain)
Gregg Jackman(church noises)
Produced by Greenslade & Jeremy Ensor
01.Spirit Of The Dance
02.Little Red Fry-Up
03.Rainbow
04.Siam Seesaw
05.Joie De Vivre
06.Red Light
07.Melancholic Race
08.Theme For An Imaginary Western
(Disc2 "Time And Tide (1975/4th)"):
Dave Greenslade(p,org,hpcd,mltrn,el-p,cvnt,syn,vib)
Dave Lawson(vo,p,syn,el-p,hpcd,solina)
Martin Briley(b,g,vo)
Andrew McCulloch(ds,per)
Ann Simmons(vo)
Jill MacIntosh(vo)
Barry Morgan(timbale)
Produced by Greenslade, Gregg Jackman & Jeremy Ensor
01.Animal Farm
02.Newsworth
03.Time
04.Tide
05.Catalan
06.The Flattery Stakes
07.Waltz For A Fallen Idol
08.The Ass's Ears
09.Doldrums
10.Gangsters