UKのノイジー・レコードから、デジパックでのリリース。デヴィッド・クロスは、デヴォン州プリマス出身のヴァイオリニストで、何よりキング・クリムゾンでの活動で知られていると思う。アンドリュー・ブッカーは、96年にソロ・アルバム「アヘッド」でデビューしたドラマー兼シンガーで、その後クロスやマイケル・ベアパークとのフュージティヴス、ニック・コッタムとのパルス・エンジン、ピーター・バンクスのハーモニー・イン・ダイバーシティ、ティム・ボウネスのヘンリー・フールやノー・マン等々で活動している。本作は、18年にリリースされたクロスとブッカーのデュオ名義アルバムだが、06年10月13日にロンドンのダウンズ・サウンズでレコーディングされていた、未発表スタジオ・セッション音源ということらしい。メンバーは、ヴァイオリンのクロス、エレ・ドラムのブッカーの2人で、プロデュースはブッカー。エレ・ドラムと若干のシンセによるドローン色内包のエレクトロニクス空間に、適時エフェクトもかませたヴァイオリンが斬り込んでくるスタイルで、ポスト・ロック調のソリッドなダーク感とプログレ調のアンバーな郷愁感が、わりと独特のバランスで交叉。おそらくインプロヴィゼイションを基調に、セッションしながらの制作だったのではと思われるが、全体に張り詰めた緊張感十分で、取り留めのないお互いの様子見パートから音数が増えて盛り上がっていくパートまで、結果として丁度いい塩梅でダイナミズムとドローン感が同居。クロスの手癖なのかもしれないが、どこかクリムゾンで聴き慣れた感じのあるヴァイオリンのリフ&フレーズも所々で散見され、けっこう楽しめる好盤と思う。EUプレス盤
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Electronics,Drone / Digi-Pack CD(2023) / Noisy Records/UK,EU)
David Cross(vln)
Andrew Booker(el-ds)
Produced by Andrew Booker
収録曲目
1.Loopscape A
2.The Shakes Rattled
3.Sleek
4.Spared Bhangra
5.Worship The Gourds
6.Ends Meeting
7.Loopscape B