UKのノイジー・レコードから、デジパックでのリリース。デヴィッド・クロスは、デヴォン州プリマス出身のヴァイオリニストで、何よりキング・クリムゾンでの活動で知られていると思う。デヴィッド・クロス・バンドは、ラディウス活動停止後の04年頃にクロスが新たに結成したグループで、本作は23年にリリースされた(おそらく)サード・アルバム。メンバーは、前作「サイン・オブ・ザ・クロウ」からのクロス、ジニアン・ワイルド、ミック・ポールの3人に、新たにスティーヴ・ロバーツ(ex.タンジェント,etc)を加えた4人編成を基本に、2曲でデヴィッド・ジャクソン(ex.ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター,カプレカーズ・コンスタント,タンジェント,etc)がゲスト参加。ハイテンション&テクニカルな演奏でグイグイ押して来る、わりと典型的な当世風ヘヴィ・シンフォニックを展開していて、変拍子多用の疾走系リズムとプログレ・メタル的リフ&フレーズは素直にカッコよく、サイケ感が担保されたダークなSEや効果音のハマりも悪くない。クリアーなトーンのボーカルと、クリムゾン的情感を交えたヴァイオリンが、怒涛のヘヴィネスといい塩梅のマッチングを見せていて、クロスのヴァイオリンを軸に炸裂するアンサンブルのバンド感も申し分ない。概ねハードネスが前面に出ている印象だが、哀愁の静と炸裂の動のダイナミズムによる適度な緩急も織り込まれていて、聴き所は十分にある。「逃亡者」と「スターレス」のクリムゾンのカヴァーも含め、ヴァイオリンと他のパートとのバランスもよく、クリムゾン・コンプレックス系の当世風ネオ・プログレとして、プログレ愛好家ならまずもって楽しめるだろう好盤と思う。EUプレス盤
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輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic / Digi-Pack CD(2023) / Noisy Records/UK,EU)
Jinian Wilde(vo,g,fl)
David Cross(vln)
Mick Paul(b,vo)
Steve Roberts(ds)
David Jackson(sax,wsle)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Nurse Insane
2.Calamity
3.Nowhere
4.Exiles
5.Karma Gain
6.Over Your Shoulder
7.Starless