UKのマスコット・レコードからのリリース。ドン・エイリーはサンダーランド出身のキーボーティストで、コロシアム・セカンド、レインボー、ゲイリー・ムーア・バンド、現ディープ・パープル等々での活動で知られていると思う。本作は、08年にリリースされたソロ・アルバムで、メンバーは、プロデュース兼任のエイリーを軸に、ロブ・ハリス、ローレンス・コットル、クリス・チャイルズ、ダーリン・ムーニー、ハリー・ジェームス、リディア・ベイチ、ダニー・ボウズ、カール・センタンス等々が曲によって適時参加。スペース・オペラSF小説的なコンセプト・アルバムで、非常に濃密な当世風ヘヴィ・シンフォニック・プログレに仕上がっているというか、この線としてはかなり出来がよくてカッコいいサウンドを展開。ハモンド・オルガン、スペイシー・シンセ、ピアノを中心としたエイリーのキーボード群は、随所にELPやパープル的リフとフレーズが鏤められ、キレのよさ&ヘヴィネス共にわりと文句なしで、疾走感のある重たいリズム隊とビシバシで痛快なシンコペを見せる。半分程の曲で入る正統派ハード・ロック・マナーのシャウト・ボーカルのハマりも悪くなく、キーボードに劣らずのハイテンションなギターもちょっとメタリックだが当世風プログレ的で、時折入るヴァイオリンも勢いよく炸裂。ともかくも、プログレ的な畳み掛けるアレンジのインスト・ナンバーは圧巻で、ボーカル・ナンバーも含めた全体の出来も申し分ない。テクニカル&ハードな、プログレ&ハード・ロック愛好家のどちらも楽しめる好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Heavy Symphonic,Hard / Jewel-case CD(2008) / Mascot Records/UK)
Don Airey(kbd)
Rob Harris(g)
Laurence Cottle(b)
Chris Childs(b)
Darrin Mooney(ds)
Harry James(ds,vo)
Lidia Baich(vln)
Danny Bowes(vo)
Carl Sentance(vo)
Produced by Don Airey
収録曲目
01.Big Bang
02.Ripples In The Fabric Of Time
03.Shooting Star
04.Space Troll Patrol
05.Andromeda M31
06.Endless Night
07.Rocket To The Moon
08.Lift Off
09.Love You Too Much
10.Cartwheel Eso 350-40
11.Somebrero M104
12.Into Orbit
13.A Light In The Sky (Pt.2)
14.Pale Blue Dot
15.Metallicity
16.Big Crunch
17.Lost In The End Of Time