国内のアルカンジェロからのリリース。イヴラーク(エヴラーク)は、川嶋弘治と菅野ハヤヲが中心となって18年に結成されたグループで、おそらく千葉/東京を拠点として活動、20年6月に3曲入デビューEPCD「イヴラーク EP」、21年にファースト・アルバム「イヴラーク I」をリリースした。本作は、24年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作と同じ川嶋、菅野、吉田タケシ、瀬尾マリナ、今川天国(テナー万太郎から改名)、長谷川ミキの6人編成。2,5曲目のティーザー音源を聴いた限りだが、概ね前作の延長線上にあるヘヴィ・シンフォニック系で、よりドロドロ感の増した日本的暗黒呪術感が強くなっている印象。キング・クリムゾンやイエス方面の要素は、トレブリーなギター、ゴリゴリ系のベース、ドカドカ系のドラムに担保されていて、適時変拍子を交えたアンサンブルも相変わらずソリッドで上等、ジャジーなニュアンスを担うサックスのハマりも面白い。瀬尾マリナのボーカルは、よりパワフルな方向にシフトしている感じで、シアトリカルな存在感は十分なのだがアニソン的ポップネスは薄れていて、直線的に飛んでくる迫力が全面に出ている印象を受ける。その意味では、バンドの一体感というか、アンサンブルのカタルシスによりフォーカスした結果、どこかボーカルが歌いづらくなってしまったような感覚を受けなくもないが、暗黒呪術感メインのニュアンスはインパクト大で、只今の日本のプログレ界隈に最適化したサウンドといえるのかも知れない。当世プログレ愛好家の琴線に触れるだろう、濃密かつ重厚な好盤と思う。
アルカンジェロ盤
(Progressive/Heavy Symphonic / Jewel-case CD(2024) / Arcangelo/Japan)
Marina Seo/瀬尾マリナ(vo)
Hayawo Kanno/菅野ハヤヲ(g)
Imagawa Tengoku/今川天国(sax)
Miki Hasegawa/長谷川ミキ(kbd)
Koji Kawashima/川嶋弘治(b)
Takeshi Yoshida/吉田タケシ(ds)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Eclipse
2.Fata Morgana
3.Sanctuary
4.Call of Hierophany
5.Requiem for Lost Tides
6.遠景