国内のエヴラークからのリリース。エヴラークは、川嶋弘治とハヤヲが中心となって18年に結成されたグループで、おそらく千葉/東京を拠点として活動、20年6月に3曲入デビューEPCD「エヴラーク EP」をリリースした。本作は、21年にリリースされたファースト・アルバムで、前述の「エヴラーク EP」3曲のリメイク(4,5,6曲目)と新曲3曲(1,2,3曲目)の、計6曲が収録されている。メンバーは、川嶋、ハヤヲ、ヨシダ、瀬尾マリナ、テナー万太郎、長谷川ミキの6人編成。例えば、キング・クリムゾン、マグマ、イエス、佐井好子、是巨人辺りの要素が、何とも微妙なバランスで交叉していて、是巨人や佐井好子までを本人達が意識しているのかは判らないが、ちょっと独特のゴッタ煮感に帰着している印象。長尺の構成/アレンジはいかにもプログレ然としていて、トレブリーなギターとゴリゴリ系のベース、ドカドカ系のドラムを軸とした変拍子アンサンブルも達者だが、ドロドロなヘヴィネス十分のパートと日本語ボーカル・パートのアニソン的ポップネスとの同居は、畳み掛ける展開の見事さも手伝ってある意味ミスマッチ感満点。ロック的バンド感やブルース感、サイケ感の希薄な演奏も含め、瀬尾マリナのボーカルを主軸に考えるなら、これはプログレ色のあるJ・ポップ系、もしくは新しいスタイルのJ・プログレなのかも知れない。それをどう聴くかは人それぞれと思うが、おそらくリスナーとしてのリアルタイムが90年代以降で、70,80年代サウンドを後追いで体験した世代による当世プログレ系として、非常に濃密かつ重厚な力作と思う。ジャジーなアクセントになっているサックスの存在も面白い。尚、初回特典として、3曲目のリハーサル動画とメンバーのコメントを収録したDVD-Rのオマケ付。
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エヴラーク盤
(Progressive/Heavy Symphonic,J-Pop / Jewel-case CD(2021) / Evraak/Japan)
Marina Seo/瀬尾マリナ(vo)
Hayawo Kanno/ハヤヲ(g)
Tenor Mantaro/テナー万太郎(sax)
Miki Hasegawa/長谷川ミキ(kbd)
Koji Kawashima/川嶋弘治(b)
Takeshi Yoshida/ヨシダ(ds)
Produced by Unknown
収録曲目
1.saethi
2.Stigma
3.Asylum piece
4.Into the new world
5.Cure
6.Sacrifice