スペインのアウト・サイダー/ゲッセン・レコードから、22年新規リマスターでのリシュー。サンダー・アンド・ローゼスはフィラデルフィア出身のグループで、クリス・ボンドが中心となって68年頃に結成されている。1曲目の「ホワイト・レース・アンド・ストレンジ」をニルヴァーナがカヴァーしていたので、知っている人もいるかも知れない。本作は、69年にUSAのUAからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、クリス・ボンド、トム・シェファー、ジョージ・エーメのトリオ編成で、プロデュースはトーマス・オホラ・ジュニア。概ね、ボンドのジミヘン・フォロワー的なギター&ボーカルに、クリーム・スタイルのリズム隊が絡む、ブルース基調のヘヴィ・サイケ方面のサウンドを展開していて、サイケなハードネスをある程度担保しつつ、曲によってスワンプ色も顕れる感じは、ブルー・チアー辺りにも通じる印象。「レッド・ハウス」のカヴァーも含め、実際ギター・リフやエフェクトのかませ方、ボーカルの歌いまわしや楽曲には、随所にジミヘンの影響は感じられるのだが、弾きまくるギターがかなり上等というか流暢で、サイケの空気感とハード・ロック的ヘヴィネスがいい塩梅で交叉。ガツーンとしたヘヴィネスの1,5,6,8曲目辺りは素直にカッコよく、他のミュディアム・テンポのレイドバック・ナンバーもいい感じのハマりで、例えばスタイルは違うがフリーのようなどっしりとした濃密さやB級の味わいも相俟って、サイケ系ハード&ブルース・ロック愛好家なら、まずもって楽しめる好盤と思う。カッコよし!。
輸入盤
(Psyche/Heavy Blues,Psyche / Jewel-case CD(2022 Re-master) / Out-Sider/Guerssen/Spain)
Chris Bond(vo,g)
Tom Schaffer(b,vo)
George Emme(ds)
Produced by Thomas O'Hora Jr.
収録曲目
1.White Lace And Strange
2.I Love A Woman
3.Country Life
4.Red House
5.Moon Child
6.Dear Dream Maker
7.King Of The Black Sunrise
8.Open Up Your Eyes