フランスのスフレ・コンティニュ・レコードから、73年のアルバム未収シングル両面3曲をボーナスで加えての、限定ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様、オビ付。(ル・テアートル・デュ・)シェーン・ノワールはプロヴァンス地方アヴィニョン出身の音楽演劇グループで、ジェラール・ジュラが中心となって60年代末に結成されている。使われなくなった教会を借り受けシェーン・ノワール劇場を開設、そこを拠点に劇場名で活動していたらしい。本作は、71年にフランスのフュチュラ・レコードからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ジュラ、ダニエル・デュブレ、ギー・パカン、ジャン・マリー・ルドン、ピエール・スーツテル、ニコル・オービア、ベネディクト・モーレの7人、プロデュースはジェラール・テローヌ。プログレとRIO系チェンバー・ロック、フリー・ジャズの狭間をいくような楽曲と演奏、呪術的で演劇調のボーカル&声が、ダークで異様な空気感に収束する言葉通りのシアトリカル・サウンドを展開。シアトリカルといってもあくまで主体は演奏で、くぐもった女性スキャット・ボーカルとバンブー・フルート、不気味なドローン調ゴングが妖しさを誘う1曲目、フルート、パーカス、ボウ・ギターがフリーキーに飛び交う2曲目から、悲しみが滲み出るような重いトーンのソロ・サックスが鳴り響く6曲目まで、透徹した緊張感と浮世離れしたアングラ感が交叉。フランス語ボーカルや語りの意味は全然わからないが、キテレツなようでいてリアルな感情や心持ち、日々の生活のあれこれと地続きで繋がっているような感覚は、例えば寺山修司や唐十郎辺りのアングラ演劇と通底している印象で、この線としては正しくサイケで濃密な好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Experimental,Avant-Garde,Progressive / Paper-Sleeve CD(2020) / Souffle Continu Records/France)
Daniel Dublet(bowed-g,gong,bongos,p,org,voice)
Guy Paquin(cello,tp,voice)
Jean-Marie Redon(fl,voice)
Pierre Surtel(sax,fl,bamboo-fl,voice)
Gerard Gelas(ds,gong)
Nicole Aubiat(bowed-cymbal,vo,voice)
Benedicte Maulet(vo,voice)
Jean Louis Cannaud(voice,sax)bonus
Gilbert Gay(voice,tp,p)bonus
Beatrice Le Thierry(voice)bonus
Jean Paul Chazalon(voice)bonus
Monik Lamy(voice)bonus
Produced by Gerard Terrones, Michel Greze & Chene Noir(bonus)
収録曲目
1.Arrivee De La Terre Et De Ses Enfants : L'Aurore
2.Le Bonheur
3La Vieillesse Et La Mort
4.Le Conte De La Terre Et Ses Enfants Et La Premiere Apparition Des Hommes-oiseaux
5.La Fascination Des Enfants De La Terre Par Les Hommes-oiseaux
6.Vivre
bonus track(Miss Madona 1973 single):
7.Le Chant Du Cirque
8.Le Numero De Miss Madona/La Ballade De La Bete