国内のストレンジ・デイズ/ユニバーサルから、07年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。コーティング紙ジャケ仕様。ロン・ギーシンはスコットランドのエアーシア・スティーヴンストン出身の音響&実験音楽家兼コンポーザーで、何よりピンク・フロイドの「原子心母」の作曲とオーケストラ・アレンジ、ロジャー・ウォーターズとの共作「ボディ」等々、フロイド関連の仕事で知られていると思う。本作は、67年にUKトランスアトランティックからリリースされたファースト・アルバムで、邦題は「ア・レイズ・オブ・アイブロウズ」、インナーバッグ入、ライナーは小沼純一と松井巧、歌詞付。全てギーシン1人による多重録音で、プロデュースはネイサン・ジョセフ。概ね、プリペアド・ピアノ、ハーモニウム、オルガン、声、ギター、バンジョー、ハーモニカ等々を駆使して、時にはサウンド・エフェクトで変調させコラージュを施した、ストレンジ音響またはエクスペリメンタル系サウンドを展開。例えば、ジョン・ケージにモンティ・パイソンやザッパ的センスを混ぜたような感じの、シリアスさとオトボケが交叉するストレンジ感十分で、けっこう飽きずに最後まで聴ける不思議な味わい。決して聴きやすくはないのだが、子供が遊んでいるような各フラグメントがいちいち可愛らしいというか、人懐っこい変テコさとハミ出し感はともかくも面白い。この線としては非常に正しくサイケな好盤と思う。
ストレンジ・デイズ盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)/デッドストック入荷
(Psyche/Experimental,Strange,Collage,Electronics / Paper-Sleeve CD(2007 Re-master) / Strange Days/Japan)
Ron Geesin(all instruments,voices)
Produced by Nathan Joseph
収録曲目
01.A Raise Of Eyebrows/ア・レイズ・オブ・アイブロウズ
02.Freedom For Four Voices And Me/フリーダム・フォー・フォー・ヴォイシズ・アンド・ミー
03.Psychedelia/サイケデリア
04.Positives/ポジティヴス
05.It's All Very New, You Know/イッツ・オール・ヴェリー・ニュー・ユー・ノウ
06.A Female!/ア・フィメール!
07.Certainly Random/サートゥンリー・ランダム
08.The Eye That Nearly Saw/ジ・アイ・ザット・ニアリー・ソー
09.Two Fifteen String Guitars For Nice People/トゥー・フィフティーン・ストリング・ギターズ・フォー・ナイス・ピープル
10.From An Electric Train/フロム・アン・エレクトリック・トレイン
11.A World Of Too Much Sound/ア・ワールド・オブ・トゥー・マッチ・サウンド
12.Another Female!/アナザー・フィメール!
13.We're All Going To Liverpool/ウィ・アー・オール・ゴーイング・トゥ・リヴァプール
14.Ha! Ha! But Reasonable/ハ!・ハ!・バット・リーズナブル