スイスのチーリン・レコードから、コーティング紙見開きデジスリーヴでのリリース。ルスコーニはスイスのチューリヒ出身のグループで、キーボーティストのステファン・ルスコーニが中心となって04年に結成されている。フレッド・フリスは、ヘンリー・カウ、アート・ベアーズ、マサカーの他、数多のミュージシャン達との幅広い共演やソロ活動で知られる解説不要のビッグ・ネームで、ルスコーニとフリスは12年頃から何度も共演ライヴを行ってきた。本作は、12年10月12日のチューリヒのモーズ(1~3曲目)と、14年3月28日のハンブルクのロルフ・リーバーマン・スタジオ(4~6曲目)でのライヴ音源をコンパイルしたライヴ盤で、ダウンロード用ボーナス2曲(ルスコーニとルスコーニ+ノーマ・ウィンストンの未発表ライヴ音源)の為のダウンロード・コード・ペーパー入。メンバーは、フリス、ルスコーニ、ファビアン・ギスラー、クレウディオ・ストゥルビーの4人編成で、プロデュースは1~3曲目がルスコーニの3人、4~6曲目がアクセル・デュールとステファン・ゲルデス。概ね、チェンバー・ロック系と呼べるサウンドを展開していて、プリペアド的なピアノとサイケなシンセ、達者なウッド・ベース、クリス・カトラー的饒舌さのドラムに、変態感十分のフリスのギターが炸裂する演奏はかなりカッコいい。さりげなく変拍子やポリリズムを織り込んだ楽曲は、カンタベリー的なエレガントさとある種のポップネスが感じられ、フリスの放つダーク・チェンバー的要素と見事なマッチングを見せる。宮崎駿の「千と千尋の神隠し」モチーフと思われる曲やソニック・ユースのカヴァーも含め、面白くて飽きのこない好盤と思う。素晴らしい!。
輸入盤
(Psyche/Experimental,Chamber,Canterbury / Digi-Sleeve CD(2015) / Qilin Records/Switz)
Fred Frith(g)
Stefan Rusconi(p,syn,vo)
Fabian Gisler(b,vo)
Claudio Struby(ds,per,vo)
Produced by Rusconi, Axel Durr & Stefan Gerdes
収録曲目
1.Kaonashi
2.Tempelhof
3.Karen Revisited
4.Chihiro's World
5.Yogya Trip
6.Berlin Blues
bonus track(download):
1.RUSCONI (live)
2.RUSCONI + Norma Winstone (live)