UKのRPMインターナショナルから、68年のテリエ・リピダルズ・ブレイク・ハウスの音源1曲をボーナスで加えてのリシュー。ザ・ドリームはノルウェーのロック黎明期を代表するグループの1つで、元ヴァンガーズのテリエ・リピダル、元パブリック・エネミーのクリスチャン・レイムとマリウス ・シュトロモエン、元サフィレスのトム ・カールセンによってオスロで結成されている。本作は、67年にデンマークのポリドールからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、前述のリピダル、レイム、シュトロモエン、カールセンの4人編成、スヴェン・エリク・ボルヤとバンドの共同プロデュース。初期ピンク・フロイド的なカオティック・サイケから、エレクトリック・マイルス的で少しファンキーなブルース・ロック、モンド色のあるポップ・サイケまで、概ねサイケで括れるアート・ロック的サウンドを展開していて、演奏はハードかつ濃密で素直にカッコよく、67年のノルウェーということを考えるとちょっと驚きの高水準。リピダルのファズ&ワウ多用のブルージーなギターと、レイムのスペイシーで流暢なハモンド・オルガンはちょっと文句なしのカッコよさで、派手ではないがリズム隊も無駄がなく的確で全員かなりの腕前。全て英詞ボーカルということもあって、全体に非常にブリティッシュ的というかあまり北欧らしさはないが、この上等さはそういうことは問題ではなく、サイケ&ハード・ロック愛好家は要チェックの好盤と思う。この後、リピダルはミン・ブルを経て、ECMのソリストで著名になる。カッコよし!。
輸入盤
(Psyche/Blues,Progressive / Jewel-case CD(2015) / RPM International/UK)
Terje Rypdal(g,vo)
Christian Reim(org,vo)
Marius Stormoen(b)
Tom Karlsen(ds,vo)
Producerd by Svein Erik Borja & The Dream
収録曲目
01.Green Things (From Outer Space)
02.Emptiness Gone
03.Ain't No Use
04.Driftin'
05.I'm Counting On You
06.Night Of The Lonely Organist & His Mysterious Pals
07.You
08.You're Right About Me
09.Hey Jimi
10.Do You Dream
bonus track(from TERJE RYPDAL'S BLEAK HOUSE 1968):
11.Dead Man's Tale