UKのロケット・ガールから、デジパックでのリリース。ピーテル・ノーテンはオランダのオス出身のマルチ奏者兼コンポーザーで、何より4ADレーベルの主軸グループの1つだったクラン・オブ・ザイモックスでの活動で知られているかも知れない。その後One4Twoスタジオのプロデューサーを経て、マイケル・ブルックやザイモックスの僚友アンカ・ヴォルベルトとの共演、ファースト・コンタクト、フィンガープリンス、メリディアーネなどのユニットの他、ソロでも活動している。本作は、23年にリリースされた只今のところ新作アルバムで、全編ラップトップMACコンピューターとサンプリングを駆使した、ノーテン1人による制作。概ねドローン・アンビエント方面で、ポスト・クラシカル調のゆったりしたストリングス&オルガン音ドローンを基調に、弦・管楽器、ギター、人声などのサンプリングやエレクトロニクス・ノイズが、メロディやフレーズ、装飾を担うスタイル。一部でスロー&ミュディアム・テンポのリズムも入るが、ほとんどはじわじわと潮が満ちていくようなダークウェーヴ調のドローンで、寄せては引く波の如くなめらかなダイナミズムは非常に見事。どこか4ADやクレプスキュール・レーベル時代の残り香のような、80年代的情感がそれとなく担保された音色と、何かが失われていくような感覚の淡い郷愁感が全体に漂っていて、流していてとても心地好いサウンドスケープ。この埋没感や滲む感触はかなりヨーロッパ的という印象で、ポスト&ネオ・クラシカル方面のエレガントな品のよさも含め、優れて瞑想的で超然としたドローン・アンビエント系の好盤と思う。夜に聴くと酒が進むかも。
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輸入盤
(Psyche/Electronics,Drone,Ambient / Dig-Pack CD(2023) / Rocket Girl/UK)
Pieter Nooten(pc,sampler,electronics)
Produced by Pieter Nooten
収録曲目
1.Beauty June
2.Lament I
3.TT Revisited
4.Someone There
5.The Griefing
6.Slow Mode
7.Lo Fi Lullaby
8.Lament II