USAのグラディエント・ミュージックから、見開きデジスリーヴでのリリース。マット・マクベインはおそらくニュー・ヨーク出身のコンポーザー兼ヴァイオリン&エレクトロニクス奏者で、08年からチェンバー・ユニットのビルドでの活動を経て、15年にファースト・ソロ「オン・アンド・オン・アンド」をリリース。現在はブルックリンを拠点に活動、シンセやフィールド・レコーディング&ミュジック・コンクレートによるエレクトロニクスと、オーソドックスなオーケストラやヴァイオリンを絡めた、ミニマリズム基調の独特のサウンドを展開している。本作は、25年にリリースされたおそらくフィフス・アルバムで、メンバーはマクベイン1人による多重レコーディング、プロデュースもマクベイン。モジュラー&アナログ・シンセ、ヴァイオリン、ピアノ、ベース、ボーカル等の演奏マテリアルを、PCで適時変容&編集して制作した、エレクトロ・アコースティック要素内包のサウンド。前述の通り、ミニマリスティックなシンセのリフ&フレーズを基調に、適時ヴァイオリンやピアノが絡むスタイルの曲と、別のシンセやベースをシーケンサーやカウンター・パートとして絡めるスタイルの曲に大別され、どちらも独特のくぐもった情感が担保された静謐なサウンドスケープを堪能出来る。全体的にはミニマル・エレクトロニクス方面という印象だが、ポスト・クラシカル調の引き締まった空気感も手伝って、流していて素直に心地好い。音色チョイスのセンスがよく透徹感も十分で、正しくサイケな好盤と思う。素敵!。
輸入盤
(Psyche/Electronics,Minimal,Post Crassical / Digi-Sleeve CD(2025) / Gradient Music/USA)
Matt McBane(syn,electronics,vln,p,b)
Produced by Matt McBane
収録曲目
1.Eleven Eleven
2.Gleam
3.Buoy
4.Addition
5.Absence
6.Arpeggiator
7.Drift
8.VCV Chaconne
9.Turn Around Again