フランスのシェルター・プレス/ラ・ベック・エディシオンから、3面開きデジスリーヴでのリリース。カッセル・イェガー(aka.フランソワ・ボネ)は、オート=ヴィエンヌ県リモージュ出身のスイス系フランス人音響アーティストで、現在はIna-GRM(フランス音楽研究グループ)のディレクターも務めながらパリを拠点に活動している。本作は、26年にリリースされたおそらくソロ名義19枚目のアルバムで、全てイェガー1人によるレコーディング&制作。概ね、アンビエントとノイズの狭間をいく感じのエレクトロ・アコースティック音響方面で、エレクトロニクスとエフェクト処理された音層のドローン空間に、エレキ・ギターやベル、ハチの飛ぶ音や自然音、何かしら変容されたマテリアルなどのフラグメントが浮かんでは消えてゆく、ダークで内省的なサウンドスケープを堪能出来る。音素材のクレジットが曖昧なので、確かなことはわからないが、22年ヴェネツィア・ビエンナーレや23年のサウンド・ビエンナーレなどの素材も再利用されていると思われ、その再構築処理の塩梅と全体に漂う独特のダークネスは、例えば重力によって空間が曲がっていくような感覚に近いかも知れない。不気味ではあるが破滅的イメージはなく、シリアスだが正しくサイケで、Ina-GRMのミュジック・コンクレート系譜の要素と、当世音響アンビエント系の要素がハイブリットされた、埋没感十分の不思議な心地好さの好盤と思う。余談だが、「Sub Re」とは、ラテン語で「水面下」や「物事の下」、「実態の下」などの意味らしい。
輸入盤
(Psyche/Drone,Ambient,Noise/ Digi-Sleeve CD(2026) / Shelter Press/La Becque Editions/France)

Francois J. Bonnet(all instruments)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Sub Re (Part I):
Adis
Sub Umbra
A Shell, A Bell, A Spell
Cadal
Run
Duevoci
Naufrage
2.Sub Re (Part II):
Forge
Oiseaux De Passage
City Of Brass
Mort Meis
Dis
Hafn
Signalmirror



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