国内のストレンジ・デイズ・レコードから、07年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様、オリジナル・インナーバッグ付。本作は、79年にイタリアのクランプスからリリースされたラウル・ロヴィゾーニ&フランチェスコ・メッシーナ名義唯一のアルバムで、邦題は「アナロゴ山を濡らす」。クレジット・メンバーは、ロヴィゾーニ、メッシーナ、ミケーレ・フェドリゴッティ、パッティ・タッシーニ、ユーリ・カミサスカの5人で、プロデュースはフランコ・バッティアート。ロヴィゾーニとメッシーナは、実験音響系フィールドのアーティストらしいが資料不足で、ある意味正体不明。ホワ~っとした浮遊感満点のピアノとムーグによる、イーノ&ブッドの「鏡面界」ををさらに静かで情緒的にしたような1曲目、くぐもった音色のハープが独特の美しさと瞑想感を放つ2曲目、コップ(グラス)とカミサスカのボイスによる風のような3曲目と、どれも無上の心地好さを放つ、優れて瞑想的な実験・環境音楽またはミニマル・ミュージックといえるドローン・サウンド。このオリエンタルな透明感と抒情性は、プロデューサーであるバッティアートの手腕が大きいと思われ、実際70年代中期のバッティアートやジュスト・ピオの一連の音響系作品群に極めて近いサウンドスケープという印象。ともかくも心地好さ絶品で、夜明け、昼下がり、夕暮れ、夜長のどれでもマッチして、時間の流れと空気の色が間違いなく変わる大好盤と思う。素晴らしい!。
ストレンジ・デイズ盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)/デッドストック入荷
(Psyche/Medidtation,Electronics / Paper-Sleeve CD(2007 Re-master) / Strange Days/Japan)
Francesco Messina(moog,syn,vocoder)
Raul Lovisoni(glasspiel)
Michele Fedrigotti(p)
Patti Tassini(harp)
Juri Camisasca(vo)
Producerd by Franco Battiato
収録曲目
1.Pratibagnatidel Monte Analogo/アナロゴ山を濡らす
2.Hula Om/フラ・オム
3.Amon Ra/アモン・ラ