カナダのネットワークから、デジパックでのリリース。ニクラス・パッシュブルクはおそらくハンブルク出身のピアニスト&エレクトロニクス奏者で、オランダの芸術学校で映画と演劇の作曲を学び、卒業後にドイツ南部でハネス・クレッツァーとともにアート・コミューンで活動を開始した。クラシックとヒップホップを融合させた独特のスタイルで、ダスティン・オハロランやマックス・リヒターに次ぐネオ・コンテンポラリー・ムーブメントのアーティストとしての他、近年は数多の映画音楽を手掛けプロデューサーとしても活動している。本作は、26年にリリースされたセクス・アルバムで、裏スリーヴの写真にある通り、古いコテージにあるピアノをパッシュブルクが弾いて、オープン・リール・テープレコーダーでレコーディングした作品。場所は、フランスのブルターニュ地方パンポルの田舎だそうで(表スリーヴの写真)、そのコテージにあった100年以上前のグランドピアノの音色が気に入り、自身の原点であるピアノに立ち返る決意をして、しばらくの期間CPやスマートフォンを絶ってデジタル・デトックスして曲想を練ったらしい。概ね、非常にシンプルなアンビエント系ソロ・ピアノというか、ミニマル感は然程強くなくそれなりにメロディがあって、全体が淡い情感のネオ・クラシカル方面の静謐さに収束。鍵盤の摩擦音なのかマレットの打弦音なのか、床板の軋みなのかそれ以外の何かなのかは判らないが、演奏に伴う何かしらのノイズ音も含め、柔らかくアンバーな音色の響きが流していて心地好く、ピアノ・アンビエント系として十分に成立している印象。中音域が豊かなオープン・リールのサウンドスケープが、ともかくも美しくて耳触りの優しい好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Ambient,Drone / Digi-Pack CD(2026) / Nettwerk/Canada)

Niklas Paschburg(p)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Paimpol
2.Marche
3.Le Port
4.A La Maison
5.La Vie Lente
6.Bandes
7.Adieu



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