UKのソウル・ジャズ・レコードからのリシュー。三方背アウター・ケース付で、ここではそのアウター・ケースを載せた。ララージことエドワード・ラリー・ゴードンは、フィラデルフィア出身のアンビエント/メディテーション系ミュージシャンで、幼少期からヴァイオリンやピアノを学びハワード大学で音楽理論を修めた後、ニュー・ヨークを拠点に音楽活動を始めるかたわらで東洋神秘主義に傾倒、質屋で手に入れたチターをエレクトリック仕様にプリペアドしてメインの楽器として使うようになる。エドワード・ラリー・ゴードン名義で78年と79年に2枚のアルバムを自主制作でリリースしながら、ニュー・ヨークの街角や公園で演奏していたが、ワシントン・スクエア・パークで演奏していた時に偶然ブライアン・イーノに『発見』され、それ以降ララージに改名した。本作は、78年にUSAのSWNからリリースされたファースト・アルバムで、全編ゴードン1人によるエレクトリック・チターとカリンバの多重録音。何かしらスティック状のもので弦を叩く、または指&爪で弾いていると思われる2種類のチターの音に、時折カリンバらしき音色も交えたサウンドで、イーノが絡んだララージ名義以降のキラキラしたトランス感は、すでにスタイルとして出来上がっている印象。チターのドローン的な響きは、跳ねまわるように弾け踊る光の粒が、結果として波状態に収束していくようなイメージで、ともかくも流していて非常に心地好い。インプロ主体と思われる流暢な演奏も含め、正しくサイケで優れて瞑想的な好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Ambient,Drone,Minimal / Jewel-case CD(2017) / Soul Jazz Records/UK)
Laraaji(Edward Larry Gordon)(el-zither,klba)
Produced by Unknown
収録曲目
1.All Pervading
2.Bethlehem