USAの37d03dから、見開きデジスリーヴでのリリース。ジェームス・マカリスターはロサンジェルスを拠点とするドラマー兼マルチ奏者兼プロデューサーで、エスター・ドラング、サークル・オブ・バーズ等のバンドの他、スファイン・スティーヴンス、ケイシー・フーバート、テイラー・スウィフト等々との共演でも知られているかも知れない。本作は、21年にリリースされたおそらくソロ名義ファースト・アルバムで、シンセ、キーボード、エレクトロニクス、プロデュース等、全てをマカリスターが1人でマルチに担当。概ね、アンビエント・テクノ方面のサウンドを展開していて、ゆったりとしたメロディのアンビエント感、ハウス感を内包したさりげないリズムのテクノ感、ノンシフトの反復を軸としたミニマル感が交叉。どこまでがPCでの制作なのかは判らないが、適時ピアノやギターらしき音も聴こえ、遠くで鳴ってる感じの淡く儚い情感が、穏やかな午後の木漏れ日的ドローン感に収束。この線としては非常に優等生的で、スタイリッシュ過ぎるサウンドスケープは少し鼻に付く感じもあるが、各音色の透明感や配置がエレガントにハマっていて、ともかくも流していて心地好い。全体で34分程度と長くはないが、柔らかい空気感と浮遊感十分の、フワっ~と脱力出来る好盤と思う。配色とグラデーションが美しいスリーヴも素敵。
輸入盤
(Psyche/Ambient,Techno,Minimal / Digi-Sleeve CD(2021) / 37d03d/USA)
James McAlister(syn,kbd,electronics,etc)
Produced by James McAlister
収録曲目
1.Portrait
2.Slow Wave
3.Cycle 3
4.Crowns
5.G0
6.Cycle 5