UKのエソテリック・レコーディングスから、14年新規リマスターでのリシュー。音質はクリアで迫力もあってよい。ジョン・ケイルは元ヴァルヴェット・アンダーグラウンド、テリー・ライリーは孤高のミニマリストで、本作は71年にUSAソニーからリリースされたデュオ名義唯一のアルバム。メンバーは、ハープシコード、ピアノ、ギター、ヴィオラ、オルガン、ベースのケイル、ピアノ、オルガン、サックスのライリーのデュオ編成が基本で、1曲でアダム・ミラーのボーカルが入る。ケイルとジョン・マクルアーの共同プロデュース。2人ともサイケ・シーンにおいては十分に知名度のあるビッグ・ネームで、ともすれば互いに排他的な個性の持ち主だが、ライリーのミニマル色とケールのストレンジなロック色が上手く溶け合っていて、このコラボレーションは成功している印象。ミラーが歌う3曲目のアコースティックな哀愁の佳曲以外はインストで、曲の骨格はライリーのオルガンやピアノによるヒプノティック・ミニマルなのだが、ケイルの手によるベースやギター、クレジットにはないドラムが、全体にロック乗りの奇妙なグルーヴと盛り上がりを与えていて、ミニマル・ロックとでも云うべき非常に面白いサウンドを展開。1曲目のベースのカッコよさからして上々の滑り出しで、全体にライリーの「レインボウ・カーブド・エア」のような肯定的な曲調が多く、変テコなのにクールでオシャレ。全体に、流していると自然に頭が白くなっていくようなちょっと独特の浮遊感が漂っていて、正しくサイケで素直にカッコいい好盤と思う。素晴らしい!。
輸入盤
(Psyche/Minimal,Ambient,Progressive / Jewel-case CD(2014 Re-master) / Esoteric/UK)
John Cale(b,hpcd,p,g,vla,org)
Terry Riley(p,org,sax)
Adam Miller(vo)
Produced by John Cale & John McClure
収録曲目
1.Church Of Anthrax
2.The Hall Of Mirrors In The Palace At Versailles
3.The Soul Of Patrick Lee
4.Ides Of March
5.The Protege