イタリアのBMGから、98年新規リマスターでのリシュー。フランコ・バッティアートはシチリア島カターニャ出身のアーティストで、作詞、作曲、ボーカル、各種楽器、プロデュース等の音楽畑の他にも、画家やデザイナーとしても知られ、現在も活動を続けているイタリアのビッグ・ネームの1人。60年代中期にミラノでシンガーとしての活動を開始して68年にデビュー、72年からのブラ・ブラ・レーベル時代はアート・ロック、エレクトロニクス、ミニマル、実験音楽などのサイケ&プログレ系の作品群を制作。79年以降は再びポップス・シンガーとなって、ジュスト・ピオが本格的に絡むようになった80年代末以降は、クラシックの要素も取り入れた独特のサウンドを展開。本作は、78年にイタリアのリコルディからリリースされたエイス・アルバムで、「Za」以降のミニマル・チェンバー路線最後の作品。クレジット・メンバーは、バッティアート、アントニオ・バリスタ、ブルーノ・カニーノの3人で、ナターレ・マッサーラとパオロ・スカルネッキアの共同プロデュース。バッティアートは作曲のみで、演奏は1曲目がバリスタのピアノ・ソロ、2曲目がバリスタとカニーノのピアノ・デュオというシンプルな編成。どちらも『響きと残響』を追求した、プリペアド・ピアノ曲と云って差し支えない感じだが、タイトル通り風に洗われる砂のイメージの1曲目、淡々とした哀しさから泣き出すイメージの2曲目と、どちらも淡い午後の陽光の中の絵空事のような美しい余韻を放っている。この、どこから持って来たのかわからない柔らかい浮遊感は非常に独特で、ともかくも文句なしに心地好い。21年5月に他界してしまった、合掌!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Minimal,Meditation / Jewel-case CD(1998 Re-master) / BMG/Italy)
Franco Battiato(compose)
Antonio Ballista(p)
Bruno Canino(p)
Produced by Natale Massara & Paolo Scarnecchia
収録曲目
1.L'Egitto Prima Delle Sabbie
2.Sud Afternoon