USAのシックス・ディグリーズ・レコードから、見開きデジスリーヴでのリリース。デリア・ダービーシャー・アプリーシエイション・ソサエティは、ギャリー・ヒューズとハーヴェイ・ジョーンスの2人のキーボーティスト兼プロデューサーが結成したユニットで、2人ともBBCテレビのSFドラマ「ドクター・フー」のサウンドが好きだったことで意気投合、それがデリア・ダービーシャーのBBCレディオフォニック・ワークショップで制作されていたことから、敬意を表してこのユニット名にしたらしい。ヒューズはビョーク、スライ&ロビー、ピンク・フロイド、アート・オブ・ノイズ等々のライヴ・サポートや、エコー・システム、ボンベイ・ダブ・オーケストラでの活動、ジョーンスはジュリアン・コープ、カーラ・ブレイ、クリス・ボッティ等との活動で知られているかも知れない。本作は、18年にリリースされたセカンド・アルバムで、全編ヴィンテージ・キーボード&シンセ、エレクトロニクスを駆使した、ヒューズとジョーンスによる制作。淡い郷愁感内包のプログレ的楽曲を、ゆったりと優しい空気感の音色で展開していて、耳触りの柔らかいフワフワ&コロコロのサウンドがともかくも流していて心地好い。ミニマル調のエレガントなリフ&フレーズと暖か味のある可愛らしいメロディが、絶妙のリヴァーブ感の中で交叉していて、全体が嫌味のない肯定的情感に収束。いちいち懐かしくも美しいエレピやシンセの音色は勿論、スペイシーさやユーモラスさを担うホワイトノイズ系フラグメントも上等で、動きのあるパートの集合が結果としてドローンとなる見事なサウンドスケープ。グッド・トリップ系のお伽噺プログレ方面としても十分に成立していて、スリーヴのイメージ通りの好盤と思う。素敵!。
輸入盤
(Psyche/Ambient,Electronics,Progressive / Digi-Sleeve CD(2018) / Six Degrees Records/USA)
Garry Hughes(kbd,electronics,etc)
Harvey Jones(kbd,electronics,etc)
Produced by Garry Hughes & Harvey Jones
収録曲目
1.The Fireflies of Manhattan
2.The Desert Beckons
3.The Ghosts of Electricity
4.She Brought the Sun
5.Airlifted
6.Sinewave Gamelan