USAのブランク・フォルムズ・エディションからのリリース。スリップ・ケース付でここではそのスリップ・ケースを載せた。キャサリン・クリスター・へニックスはストックホルム出身の実験音楽家兼コンポーザー、詩人、哲学者、数学者、ビジュアル・アーティストで、60年代後半にカールハインツ・シュットクハウゼンの元で実験音楽手法を学んだ後、ニュー・ヨークに渡ってフルクサス運動に参加、パンディット・プラン・ナート、ラ・モンテ・ヤング、ヘンリー・フリント等々と交流した知る人ぞ知る存在。本作は、17年3月のベルリン・メルツムジーク祭でのソロ・パフォーマンスを収録したライヴ音源で、メンバーはキャサリン1人。おそらくコンピューターにサンプリングした、綿密にチューニングされたタンブーラの音を、88鍵キーボードのインターフェイスに繋いで演奏する手法で、ミニマリスティックなタンブーラ音リフ&フレーズが、ループしながらドローンへと収束していくフラクタルなサウンドスケープ。例えば、テリー・ライリーの「ポッピー・ノーグッド~」的なドリアン・スケールのフラグメントが、絶えず生成と消滅を繰り返しているような感じで、その細かい集積がフラクタル構造を担保したままドローンとなる様は非常に見事。タンブーラ音の倍音が幾重にも重なった結果の、ヒャラヒャラとした共鳴音の拡がりはサイケ感満点で、スティーヴ・ヒレッジの「レインボー・ドーム・ミュージック」辺りにも通底する印象。ともかくも流していて心地好く、この線としては正しくサイケで優れて瞑想的な大好盤と思う。素晴らしい!。プラン・ナートの影響で晩年はムスリムとなり、スーフィズム実践者として暮らしていたが、23年11月19日にイスタンブールの自宅で他界してしまった、合掌!。
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輸入盤
(Psyche/Drone,Ambient,Minimal / Jewel-case CD(2023) / Blank Forms Editions/USA)
Catherine Christer Hennix(kbd,computer,tambura)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Solo For Tamburium