UK/EUのベイスン・ロックから、見開きデジスリーヴ&2CDでのリリース。アンドリュー・タットルは、おそらくクイーンズランド州ブリスベン出身のバンジョー奏者兼コンポーザー兼プロデューサー、マイケル・チャップマンはヨークシャー州リーズ出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、60年代後半から同年代のロイ・ハーパーの前座でツアーに同行、69年にデビューした。わりとコンスタントに作品を発表しながらも21年に他界した、ブリティッシュ・フォーク系の知る人ぞ知る存在。本作は、24年にリリースされたアルバムで、チャップマンの未完の遺作「アナザー・フィッシュ」に、タットルが新たに自身の演奏も加えてリワークしたディスク1「アナザー・タイド」と、「アナザー・フィッシュ」をそのまま収録したディスク2の2枚組。メンバーは、バンジョー&エフェクト、エディットのタットル、ギター&エフェクトのチャップマンの2人。概ねギター&バンジョー・アンビエントと呼べるサウンドで、スワンプ系の木漏れ日感とコズミッシュ・ムジーク系のサイケ感が、ちょっと独特のバランスで交叉。例えば、タットルの22年作品「フリーティング・アドヴェンチャー」と同じ方面の、緩やかな午後の陽光的情感を軸とした曲と、マニュエル・ゲッチング/アシュ・ラ・テンペルの75年作品「インヴェンションズ・フォー・エレクトリック・ギター」辺りに近似するダーク&スペイシーな曲、その両方の要素が同居する曲が、ある種の晴れやかさを担保しつつディープなドローン感に収束。ともかくも淡くアンバーな情感が流していて心地好く、優れて瞑想的で正しくサイケな好盤と思う。ディスク1,2、どちらもとても素敵。
輸入盤
(Psyche/Ambient,Acid Folk,Swamp,Electronics / Digi-Sleeve 2CD(2024) / Basin Rock/UK,EU)
Michael Chapman(g,effects,edit)
Andrew Tuttle(banjo,effects)
Produced by Unknown
収録曲目
(Disc1/Another Tide):
1.Five And Twenty Days For Lunch
2.A Third Revision (Or Evolution)
3.Amidst A Half Dozen Saplings
4.One Lateral Line
5.Wholly Unrelated To Four Seasons
6.At Seventy-Three Miles
7.Of Two High And Two Low Waters
(Disc2/Another Fish):
1.Untitled #1
2.Untitled #2
3.Untitled #3
4.Untitled #4
5.Untitled #5
6.Untitled #6
7.Untitled #7