USAのワウンデッド・バード・レコードからのリシュー。22年再プレス盤。スティーヴ・ハンターはイリノイ州ディケーター出身のセッション・ギタリストで、ハード&ブルース・ロック系リスナーにはミッチ・ライダーズ・デトロイトやジャック・ブルース、プログレ系リスナーにはピーター・ガブリエル(例えば「ソールズベリー・ヒル」)などの他、ルー・リードやアリス・クーパーのバックでの活動や、初期エアロスミスの影武者レコーディングなどで知られていると思う。本作は、77年にUSAアトコからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、メンバーは、ハンター、ボブ・エズリン、プラカシュ・ジョン(ex.ブッシュ,ファンカデリック,etc)、ジム・ゴードン(ex.デレク&ザ・ドミノズ,etc)、ジム・メーレン(ex.アンバーグリス,etc)の5人編成を基本に、曲によってジョセフ・チロウスキー、キャロル・ポーペ、ジョアン・ブルックス等々が適時ゲスト参加、エズリンとブライアン・クリスティアンの共同プロデュース。1,7曲目の著名曲のカヴァーも含め、概ねメインストリーム感が担保されたクロスオーヴァー調で纏めている印象で、楽曲の洗練されたフュージョン色とブルース色、プログレ調アレンジの妙、バカテク系の演奏が、わりといい塩梅のバランスで交叉。それは、ハンターと長い付き合いだったエズリンのプロデュースも大いに関係していると思われ、上手くてバンド感十分の演奏がエレガントなキャッチーさに収束していて、時折入るシブ目のボーカルもAOR路線堅持で悪くない。何より、1曲目の炸裂感が素直にカッコいいが、この線としては全体にポテンシャルの高い好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Crossover,Fusion,Blues / Jewel-case CD(2004/2022) / Wounde Bird/USA)
Steve Hunter(g,vo)
Bob Ezrin(kbd,per,vo)
Prakash John(b)
Jim Gordon(ds)
Jim Maelen(per)
Jozef Chirowski(el-p)
Dr. C. Erin(upright-b)
Carol Pope(vo)
Joanne Brooks(vo)
Tony D'Amico(vo)
Produced by Bob Ezrin & Brian Christian
収録曲目
01.Eight Miles High
02.Eldorado Street
03.Goin' Down
04.Rubber Man
05.Of All Times To Leave
06.Jasper St. Viaduct Gitar Rag
07.Sail On Sailor
08.Swept Away
09.Sea Sonata
10.Deep Blue