国内のソニー・ミュージックから、未発表曲1曲(14年エソテリック盤と同じ)をボーナスで加えての、限定ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様、BSCD2(Blu-spec CD2)&21年新規リマスター盤。デヴィッド・サンシャスはニュー・ジャージー州アズベリー・パーク出身のマルチ・プレイヤーで、キーボードを中心にギターやドラムもこなす才人。74年にブルース・スプリングスティーンのE・ストリート・バンドを旧友のアーネスト・カーターと共に脱退後、自身のバンドのトーンやソロでの活動の他、スタンリー・クラーク、ナラダ・マイケル・ウォルデン、ピーター・ガブリエル、スティング等々、幅広いセッション活動でも知られていると思う。本作は、75年にUSAエピック/ソニーからリリースされたデヴィッド・サンシャス&トーン名義のファースト・アルバムで(CDはサンシャス名義)、邦題は「フォレスト・オブ・フィーリングス」、ライナーは山田順一。メンバーは、サンシャス、カーター、ジェラルド・カーボーイのトリオ編成を基本に、曲によってプロデューサーのビリー・コブハム(ex.マハヴィシュヌ・オーケストラ,etc)が適時ゲスト参加。当時の言葉では、クロスオーヴァーと呼ぶのが最もしっくりくる感じの、テクニカルで洗練されたジャズ・ロック、フュージョン、プログレの折衷サウンドといった印象で、随所にシンフォニック・プログレ的な畳み掛ける展開やリリカルなリフ&フレーズを鏤め、サンシャスの華麗なキーボード群とギター、カーターのかなりバカテクなドラム、カーボーイの太くてノリのよいベースがバンド感十分で炸裂。ともかくも演奏は素直にカッコよく、楽曲のファンキー過ぎないメインストリーム感もいい塩梅で、わりとバカテク系文句なしの好盤と思う。
国内盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)
(Progressive/Jazz Rock,Crossover,Symphonic / Paper-Sleeve BSCD2(2021 Re-master) / Sony Music/Japan)
David Sancious(org,syn,cvnt,el-p,p,el-g,chimes,per)
Gerald Carboy(b)
Ernest Carter(ds,per)
Billy Cobham(timpani)
Produced by Billy Cobham
収録曲目
01.Suite Cassandra/カサンドラ組曲
02.Come On If You Feel Up To It... (And Get Down)/カム・オン・イフ・ユーフィール・アップ・トゥ・イット...(アンド・ゲット・ダウン)
03.East India/イースト・インディア
04.Dixie/ディキシー:
a)March Of The Conditioned Souls/マーチ・オブ・ザ・コンディションド・ソウルズ
b)Civil War Of The Souls/シヴィル・ウォー・オブ・ザ・ソウルズ
05.The Forest Of Feelings/ザ・フォレスト・オブ・フィーリングス
06.Joyce #8/ジョイス #8
07.Crystal Image/クリスタル・イメージ
08.One Time/ワン・タイム
09.Further In The Forest Of Feelings/ファーザー・イン・ザ・フォレスト・オブ・フィーリングス
bonus track(unreleased):
10.Promise Of Light/プロミス・オブ・ライト