UKのサウンド・キャニオンから、見開きペーパースリーヴでのリリース。ヘルド・バイ・トゥリーズは、主にプロデューサー/サウンドクリエイターとして活動していたデヴィッド・ジョセフが、20年に開始したユニットというかプロジェクトで、本作は23年にリリースされた5曲入EPCD。22年11月8日のリアル・ワールド・スタジオ(ピーター・ガブリエル(ゲイブリエル)所有スタジオ)での新曲ライヴ・レコーディング・マテリアルを基に、適時オーバーダヴ&エディットを加えた音源で、前7日のライヴ演奏を収録した5曲入ライヴEPCD「ソレイス:ライヴ・フロム・リアル・ワールド・スタジオ」との同時リリース。メンバーは、「ソレイス・ライヴ」と同じジョセフ、ロビー・マッキントッシュ、ローレンス・ペンドラス、アンディ・パナイ、ジェームズ・グラント、ポール・ビーヴィスの6人編成を基本に、曲によってグラント・ハワード、マット・ゲインズフォードが適時参加。前述の通り全て新曲で、曲名からも判る通り、夜明けから深夜までの1日のグラデーションをモチーフとしたコンセプト作品らしく、5曲で1曲の組曲的形式。晴れやかさや爽やかさが前面に顕われた1,2曲目、涼やかに突き抜けた盛り上がりの3,4曲目、しっとりと落ち着いていく5曲目と、わりと見事に朝・昼・晩のグラデーションを表現していて、優れて映像的なサウンドスケープ。「ソレイス」でのピンク・フロイド的泣きの郷愁感を担保しつつ、ポスト・ロック的ソリッド感が寸止めの淡い情感に収束していて、ともかくも流していて非常に心地好い。全体に、適度な隙間があって耳触りの丸い、ブルージーでアンバーな余韻を残すサウンドは、ブリティッシュ・プログレ系愛好家ならまずもって楽しめるのでは。スリーヴも含め好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Post Rock,Jazz Rock / Paper-Sleeve EPCD(2023) / Sound Canyon/UK)
David Joseph(g)
Robbie McIntosh(g)
Lawrence Pendrous(p)
Andy Panayi(fl,clnt,sax)
James Grant(b)
Paul Beavis(ds)
Grant Howard(org,el-p,syn)
Matt Gainsford(g)
Produced by David Joseph
収録曲目
1.Pure Sunlight
2.The Golden Hour
3.The Blue Hour
4.Grow Dark
5.Nightfall