UKのエソテリック・レコードから、69年のデモ音源2曲(9,10曲目)と未発表曲1曲(11曲目)の、計3曲をボーナスで加えての、07年新規リマスターでのリシュー。音質もクリアでよい。イースト・オブ・エデンはサセックス州の港町ブライトン出身のグループで、67年にデイヴ・アーバス、ロン・ケインズ、ジェフ・ニコルソンが中心となって結成されたピクチャーズ・オブ・ドリアン・グレイを母体として、68年のロンドン進出後アトランティック・レコードとの契約の際にイースト・オブ・エデンに改名。7月にシングル・デビューを果たすも鳴かず飛ばずだったが、デッカがアングラ系ニュー・ロックのレーベルとして設立したデラムと再契約した。本作は、69年にUKデラムからリリースされたファースト・アルバムで、邦題は「世界の投影」。メンバーは、アーバス、ケインズ、ニコルソン、スティーヴ・ヨーク、デイヴ・ダンフォートの5人編成で、プロデュースはノエル・ウォーカー。ヴァイオリンや管楽器を使いながらも、ブルージーな泥臭さを持ったアート・ロックというかサイケ・プログレ的サウンドを展開していて、いかにもアーシーなインプロを交えた、わりと場面転換の多いカオティックな印象。演奏の中心はヴァイオリンとギターだが、サックスやベース、ハーモニカなどもかなり目立っていてメロトロンも出てきたり、楽曲はブルース、スワンプ、アラビック、インディックをサイケで括った感じで、何でもありのゴッタ煮感十分。最近このようなインプロを演奏するロック・バンドは皆無だが、これが『何でもあり』のロックの基本といえるかも知れない。B級感満点のスリーヴも含め、このサイケな雰囲気は悪くない。ボーナスの初出未発表曲もけっこう楽しめた。TESオビ・解説付
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Blues,Art Rock / Jewel-case CD(2007 Re-master) / Esoteric/UK)
Dave Arbus(vln,fl,pipe,rcdr,sax)
Ron Caines(sax,vo)
Geoff Nicholson(g,vo)
Steve York(b,hamc,kbd)
Dave Dufont(ds,per)
Produced by Noel Walker
収録曲目
01.Nothern Hemisphere/北半球
02.Isadora/イザドラ
03.Waterways/ウォーターウェイ
04.Centaur Woman/ケンタウロスの女
05.Bathers/水浴びをする人々
06.Communion/コミュニオン
07.Moth/蛾
08.In The Stable Of The Sphinx/スフィンクスの馬小屋で
bonus track:
09.Waterways/ウォーターウェイ
10.In The Stable Of The Sphinx/スフィンクスの馬小屋で
11.Eight Miles High/エイト・マイルズ・ハイ