国内のソニー・ミュージックから、未発表曲yszレコーディング・セッション、オーケストラ入別ヴァージョン等3曲(うち1曲は日本オンリー)をボーナスで加えての、BSCD2(Blu-spec CD2)&見開きデジスリーヴでのリリース。デヴィッド・ギルモアはケンブリッジ出身のギタリストで、何よりピンク・フロイドでの活動で知られるビッグ・ネーム。本作は、24年にUKソニー・ミュージックからリリースされたソロ名義フィフス・アルバムで、邦題は「邂逅」、前作「ラットル・ザット・ロック(飛翔)」から9年振りの作品。メンバーは、ボーカル、ギター、ベース、キーボード等々をマルチに熟すギルモアを核に、ロブ・ジェントリー、ガイ・プラット、スティーヴ・ガッド、アダム・ベッツ(ex.メルト・ユアセルフ・ダウン,etc)、スティーヴ・ディスタニスラオ(ex.カール・ヴァーヘイエン・バンド,etc)の他、ギルモアの娘ロマニーと息子ガブリエル、ブライアン&ロジャー・イーノ兄弟等々が曲によって適時参加、ギルモアとチャーリー・アンドリュー(ex.ローレル・コレクティブ,etc)の共同プロデュース。概ね、「鬱」以降のフロイドを少しブルース寄りにしたような路線は基本変わらずで、メインストリーム調のメロディアスさが、ブルージーな泣きとプログレ的郷愁感に収束。ロマニーがリード・ボーカルとハープで参加の、6曲目のモンゴルフィエ・ブラザーズのカヴァー以外はギルモアのオリジナルで、しつこ過ぎないブルース色とブリティッシュ然としたアンバーで湿った質感が、相変わらず非常にいい塩梅のバランスで同居。フロイド愛好家にとっても、2,11曲目で使われているリチャード・ライトの生前の演奏マテリアルも含め、十分に楽しめるだろう好盤と思う。
国内盤
(Progressive/Blues,Psyche,Pops / Digi-Sleeve BSCD2(2024) / Sony Music/Japan)
David Gilmour(vo,g,sl-g,ukulele,b,p,org,kbd,sampler,programming)
Rob Gentry(syn,p,org,kbd)
Guy Pratt(b)
Tom Herbert(b)
Steve Gadd(ds,per)
Adam Betts(ds,djembe,per)
Steve DiStanislao(ds)
Romany Gilmour(vo,harp)
Gabriel Gilmour(vo)
Will Gardner(vo)
Kate Huggett(vo)
King's Ely Cathedral Singers(choir)
Brian Eno(p)
Roger Eno(p)
John McCusker(fdl)
Damon Iddins(string quarter sampling)
Richard Wright(el-p,org)
Choir Conducted by Neil Porter-Thaw
Produced by David Gilmour, Charlie Andrew
収録曲目
01.Black Cat/ブラック・キャット
02.Luck and Strange/ラック・アンド・ストレンジ
03.The Piper’s Call/ザ・パイパーズ・コール
04.A Single Spark/ア・シングル・スパーク
05.Vita Brevis/ウィータ・ブレウィス
06.Between Two Points/ビトウィーン・トウー・ポイント (with Romany Gilmour)
07.Dark and Velvet Nights/ダーク・アンド・ヴェルヴェット・ナイツ
08.Sings/シングス
09.Scattered/スキャッタード
bonus track:
10.Yes, I Have Ghosts/イエス・アイ・ハヴ・ゴースト (with Romany Gilmour)
11.Luck and Strange/ラック・アンド・ストレンジ (original Barn Jam)
12.Scattered/スキャッタード (Orchestral)