ドイツのレパートリーから、05年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様で、6面開きポスター封入、音質はクリアで迫力もあって非常によい。ベガーズ・オペラはグラスゴー出身のグループで、リッキー・ガーディナーとアラン・パークが中心となって69年に結成されている。本作は、72年にUKヴァーティゴからリリースされたサード・アルバムで、邦題は「パスファインダー~宇宙の探求者」。メンバーは、パーク、ガーディナー、マーティン・グリフィス、ゴードン・セラー、レイ・ウィルソンの5人編成で、概ねサイケ、シンフォニック・プログレ、ハード・ロックをポップネスで括ったヴァーティゴ的ゴッタ煮プログレ・サウンドを展開。グリフィスのフランス訛り的なボーカルと、パークのキラキラしたピアノ&オルガンがともかくもカッコよく、特にオープニングの「ホーボー(放浪者)」からドナ・サマーでも著名な「マッカーサー・パーク」へと続くドラマティックな流れは、嫌味のないエレガントさと英国然としたいなたさが同居するB級ブリティッシュ・プログレの王道で、幾重にも重なってオーロラの如く繰り出されるキーボードのカーテンは、とても心地好く美しい。やはり最初の2曲は突出している印象だが、この2曲以外のナンバー群にも佳曲が多く、リズム隊のノリのよさやギターの下品さ加減もいい塩梅で、全体に出来のよいベガーズ・オペラの最高作に違いない。適度なアングラ感とポップネスも含め、ブリティッシュ・プログレ愛好家ならまずもって楽しめるだろう大好盤と思う。この後パークは、70年代末にストロベリー・スイッチブレイドのブレーンとして再登場する。2500枚限定プレス。TESオビ・解説付
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Pops,Symphonic,Hard / Paper-Sleeve CD(2005 Re-master) / Repertoire/German)
Martin Griffiths(vo)
Alan Park(kbd)
Ricky Gardiner(g,vo)
Gordon Sellar(b,g,vo)
Ray Wilson(ds)
Produced by Beggars Opera
収録曲目
1.Hobo/放浪者
2.MacArthur Park/マッカーサー・パーク
3.The Witch/魔女
4.Pathfinder/パスファインダー~宇宙の探求者
5.From Shark To Haggies/シャーク・トゥ・ハギス
6.Stretcher/ストレッチャー
7.Madame Doubtfire/マダム・ダウトファイア