国内のスーパー・フジ・ディスクスからのリリース。四人囃子は、69年に森園勝敏、岡井大二、中村真一が結成したザ・サンニンを母体として、そこに坂下秀実が加わる形で71年に名前を変えたグループで、アマチュアながらピンク・フロイドの「エコーズ」を完璧に演奏できるバンドとして、当時から名の知れた存在だったらしい。72年4月にフラワー・トラヴェリン・バンドのカナダからの帰国公演でオープニング・アクトを務め、73年にはワンマンも含め数多のライヴ活動を経て、10月に映画「ある青春/二十歳の原点」のサントラ的企画盤でデビューした。本作は、タイトル通り74年8月5日の郡山ワンステップ・フェスティヴァルでのライヴを収録した発掘音源盤で、メンバーは、前述の森園、坂下、中村、岡井の4人編成。既発のボックス収録音源とは違う、新たに見つかったミキサー・ラインアウト音源で、音質・バランスともによくなっていて、森園のMCも含め全ステージを収録した完全版。導入部が「ハマベス」ではなくサイケなインプロで始まる「泳ぐなネッシー」は、難しいキメがハマっていて洪水メロトロンも心地好く、ラストのやり直しも面白い。「シンバライン」のサイケ感はフロイドに勝るとも劣らず、「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」と「一触即発」もいわずもがなのカッコよさで、フロイド的サイケ・プログレ感と、ソリッドなブリティッシュ的ハード感が、湿った日本的情感へと見事な収束を見せる。一部バランスが崩れて聴き取りにくくなるところもあるが、ニヒルさとユーモラスさが交叉する森園の青臭いMCも含め、わりと文句なしの好ライヴ盤と思う。
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スーパー・フジ盤
(Progressive/Hard,Psyche,Symphonic / Jewel-case CD(2018) / Super Fuji Discs/Japan)
森園勝敏/Katsutoshi Morizono(vo,g)
坂下秀実/Hidemi Sakashita(kbd)
中村真一/Shinichi Nakamura(b,vo)
岡井大二/Daiji Okai(ds)
Produced by 高橋廣行
収録曲目
1.Introduction
2.泳ぐなネッシー
3.Cymbaline
4.Members Introduction
5.空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ
6.一触即発