ドイツのスティックマン・レコードから、デジパックでのリリース。デルヴィングは、アメリカのマサチューセッツ州からドイツに移住して活動していたエルダーのニコラス・ディサルボのソロ・ユニットで、おそらくベルリンを拠点にしていると思われる。本作は、24年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、ギター、キーボード、ベース、ドラムをマルチに熟すディサルボと、キーボード&エフェクトのファビアン・ド・メヌー(ex.パーリリンフ,ヴァイテ,etc)の2人を基本に、エルダーの僚友マイケル・リスバーグが適時ゲスト参加。概ね、前作の延長線上にあるポスト・ロック調クラウト・プログレ・インスト変わらずだで、ソリッドなギター中心の疾走アンサンブルは担保されているが、ド・メヌーのエレピ&ピアノがジャジーなテイストを持ち込んでいて、よりアンバーなシンフォニック・プログレ感が増している印象。3人ともヴァイテで、結局ヴァイテ別働隊的様相になってはいるが、コズミック・ジョーカーズ方面のヴァイテ、タンジェリン・ドリーム方面のデルヴィングと、クラウトのニュアンスが異なっていて、なかなかどうして非常に面白い。時折変拍子も交えたメロディアスな楽曲、シンフォニック色内包のアレンジ、キレのよいソリッドなアンサンブルの交叉は素直にカッコよく、ビシバシとキメがハマるバカテク系の引き締まった空気感も十分。ファーストとも甲乙つけ難く、この線としてはわりと文句なしの好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Post Rock,Kraut Rock,Symphonic / Digi-Pack CD(2024) / Stickman Records/German)
Nicholas DiSalvo(g,syn,kbd,b,ds)
Fabien de Menou(el-p,p,effects)
Michael Risberg(g,effects)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Sentinel
2.Omnipresence
3.Chain Of Mind
4.New Meridian
5.Zodiak
6.The Ascetic
7.Vanish With Grace