UK/EUのファーラウト・レコーディングスから、デジパックでのリリース。グルーポ・ウンはサンパウロ出身のグループで、レロ・ナザリオ&ゼ・エドゥアルド・ナザリオ兄弟が、エルメート・パスコアールのバンドで知り合ったゼカ・アスンサォンを誘って75年に結成した。軍事独裁政権下で活動を続け79年に自主制作でファースト・アルバムをリリース、3枚のアルバムをリリースして80年代中頃に解散したが、15年にナザリオ兄弟が中心となって再編した。本作は、結成間もない75年にレコーディングされていたアルバム用スタジオ音源で、レロの倉庫で見つかったということらしい。メンバーは、前述のレロ&ゼ・エドゥアルドのナザリオ兄弟、アスンサォンのトリオ編成で、概ねパスコアール方面のサイケ・ジャズ・ロック調サウンドを展開。変拍子を交えたさりげなくバカテクなプログレ色、ビリンバウ、マレット、ミュージック・ソウ等々のパーカス群のブラジル色、ファンキーなクロスオーヴァー色、民族音楽的要素内包のフリー・ジャズ的な実験色、などが、独特のバランスで交叉しながらある種のスピリチュアルな空気感に収束。このスピリチュアル感は、インプロでのコール&レスポンスと一体感の結果という印象で、緊張感のあるせめぎ合いやキメのパートのハマり具合も見事。全体で26分弱とヴォリュームは物足りないが、アンサンブルは上等でわりと素直にカッコよく、濃密なブラジリアン・サイケ・ジャズ・ロック&プログレ系の好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Psyche,Experimental / Digi-Sleeve CD(2022) / Far Out Recordings/UK,EU)
Lelo Nazario(p,prepared-p,el-p,per,voice)
Zeca Assumpcao(b,voice)
Ze Eduardo Nazario(ds,per,berimbau,voice)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Porao da Teodoro
2.Onze Por Oito
3.Organica
4.Suite Orquidea Negra
5.Jardim Candida
6.Cortejo Dos Reis Negros