国内のアルカンジェロから、21年新規リマスター&限定ペーパー・スリーヴでのリシュー。コーティング紙紙ジャケ仕様、オリジナル・ポスター・インサート入、ライナーは祖父尼淳、歌詞対訳付。ポポル・エースはオスロ出身のグループで、ビッグ・ジャズ・コンボのアルマン・スンペD.E.を母体として72年に結成されている。最初のバンド名はポポル・ヴーで、72年と73年にポポル・ヴー名義で2枚のアルバムをリリース後、74年にドイツのポポル・ヴー側からクレームが入りポポル・エースに改名した。本作は、75年にノルウェーのポリドールからリリースされたサード・アルバム(ポポル・エース名義ファースト)で、メンバーは、ヤーン・テイゲン、ペッテ・クヌートセン、アーネ・シュルツェ、テリエ・メティ、トール・アンドレアセンの5人編成を基本に、曲によってシルヴェット・アラール、リシャール・ロー(ex.マグマ,etc)、インゲル・リーセ・リピダルが適時ゲスト参加、バンドとヴィク・スミスの共同プロデュース。当初ロンドンでのレコーディング計画だったが労働ビザ問題で頓挫、大半がパリとオスロでのレコーディングとなり、パリではローや著名オンド・マルトノ奏者シルヴェット参加となったようだ。概ね、70年代中期頃のヴァージン期ウィグワム辺りに近似するポップ・プログレ調サウンドを展開していて、キャッチーなAOR的洗練感と耳触りの柔らかい音色、ジェネシス的抒情感を内包するシンフォニック・プログレ色が交叉。それぞれの要素がわりといい塩梅のバランスで、流暢で安定したアンサンブルも悪くなくいが、全体がフワフワと煮えきらないポップネスに収束していて、そこが結局のところ北欧的味わいなのかも知れない。
アルカンジェロ盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)
(Progressive/Symphonic,Pops / Paper-Sleeve CD(2021 Re-master) / Arcangelo/Japan)
Jahn Teigen(vo,glocken)
Pete Knutsen(el-g,ac-g,p,el-p,cvnt,org,hpcd,mltrn,syn,vo)
Arne Schulze(el-g,ac-g,12-g,syn)
Terje Methi(b,vo)
Thor Andreassen(ds,per)
Sylvette Allart(ondes-martenot)
Richard Raux(sax)
Inger-Lise Rypdal(vo)
Produced by Popol Ace, Vic Smith
収録曲目
1.Bury Me Dead/深く埋めろ!
2.Today Another Day/トゥデイ・アナザー・デイ
3.Jester/ジェスター
4.Soft Shoe Dancer/ソフト・シュー・ダンサー
5.Mr. Bigalow/ミスター・ビガロウ
6.Sweet Tune/スウィート・タイム
7.Sleepwalker/スリープウォーカー
8.I Can See Tears/アイ・キャン・シー・ティアーズ
9.Suicide/やすらぎへの旅立ち