イタリアのヴィニール・マジックから、24年新規リマスターでのリシュー。セミラミスはおそらくローマ出身のグループで、マウリツィオ・ザルリッロ、マルチェッロ・レッダヴィデ、メンモ・プルヴァーノの従兄弟同士の3人が中心となって70年に結成されている。本作は、73年にイタリアのトリデントからリリースされたファースト・アルバムで、確か邦題は「フリッツに捧ぐ」、メンバーは、ミケーレ・ザルリッロ、マウリツィオ・ザルリッロ、ジャンピエロ・アルテジアーニ、マルチェッロ・レッダヴィデ、パオロ・ファエンツァの5人編成、プロデュースはロベルト・カニンガム。結成当時マウリツィオやマルチェッロ達は15歳だったそうで、本作制作時には18歳前後と思われるが、ギターのミケーレは制作時16歳らしく、ともかくも非常に若いグループ。オザンナやムゼオ・ローゼンバッハと共にダーク系の代表格として扱われているが、オザンナやムゼオのような圧倒的な重さや上手さはなく、どちらかと云うとRDMのサードやRRR方面のヘヴィ・シンフォニック・プログレとして捉えたほうがよいという印象。演奏はさほど上手くはなく、楽曲やアレンジも荒っぽさが強いが、ティーン達の若いバンドとしては十分というか、イタリアらしいせっかちなフレーズをグイグイ押してくる力強い演奏、畳み掛けるドラマティックな展開がけっこうカッコいい、スリーヴのイメージ通りの濃いサウンド。余談だが、セミラミスは前9世紀に実在したといわれるアッシリアの女王で、バビロンの空中庭園で知られる。
輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic / Jewel-case CD(2024 Re-master) / Trident/Italy)
Michele Zarrillo(vo,g)
Maurizio Zarrillo(kbd)
Giampiero Artegiani(g,kbd)
Marcello Reddavide(b)
Paolo Faenza(ds,per,vib)
Producerd by Robert Cunningham
収録曲目
1.La Bottega Del Rigattiere
2.Luna Park
3.Uno Zoo Di Vetro
4.Per Una Strada Affollata
5.Dietro Una Porta Di Carta
6.Frazz
7.Clown