イタリアのCPMメディア・ファクトリーから、デジパックでのリリース。フランコ・ムッシーダはミラノ出身のギタリストで、何よりクェッリ、PFMでの活動で知られるイタリアン・ロックのビッグ・ネーム。本作は、22年にリリースされたソロ名義サード・アルバムで、95年の前作「アッコルド」から27年振りのソロ作品。メンバーは、ボーカル&プリペアド・バリトン・ギターの弾語りスタイルのムッシーダを中心に、ジョヴァンニ・ボスカリオル、パオロ・コスタ、ティツィアーノ・カルファレ、ジュリア・ラッツェリーニ、マリーナ・フェルラッツォ、パオラ・ベルテッロ、シルヴィア・ラニアド、チンディ・バリ等々が曲によって適時参加、プロデュースはロレンツォ・カッツァニーガ。善悪の2面性を暗喩する「Iotu」という名前の子どもを主役とした、コンセプチュアルなストーリーの内容だそうで、地中海音楽、フォーク、ポップス、カンタウトーレなどの要素が、肯定的な内省感に収束しつつ交叉。言葉通りの語りかけるような囁き感を基調とした弾語りボーカルと、クラシック・ギターのスケールを長くしたプリペアド・バリトン・エレアコ・ギターのナイロン弦の響きが、殊の外エレガントでよいマッチングを見せていて、弾き過ぎずスカスカ過ぎずのギターの間や、シンプルだが的確に寄り添うバックのアンサンブルも、非常に的を射たアレンジで素敵。ほとんどロックでもプログレでもないが、ともかくも流していて心地好いというか耳触りがよいというか、この音楽としてのハマりのよさのようなものは、50年以上のキャリアに裏打ちされたセンスの確かさということかも知れない。例えばPFMとは別の位相のサウンドだが、それでもPFMにシームレスに繋がっていく拡がりが感じられ、メロディアスな佳曲の多い好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Symphonic,Mediterranean Folk,Pops / Digi-Pack CD(2022) / CPM Music Factory/Italy)
Franco Mussida(vo,g)
Giovanni Boscariol(org,syn,kbd)
Paolo Costa(b)
Tiziano Carfare(per)
Giulia Lazzerini(vo)
Marina Ferrazzo(vo)
Paola Bertello(vo)
Roberta Calia(vo)
Silvia Laniado(vo)
Cindy Bali(vo)
Produced by Lorenzo Cazzaniga
収録曲目
01.Iotu E Il Piano Planetario
02.L'Oro Del Suono
03.Il Mondo In Una Nota
04.Afromedindian Blues
05.Democrazia Solidale
06.Ti Lascio Detto
07.Io Noi La Musica
08.E Tutto Vero
09.Il Sogno E La Strada
10.Nini
11.Incanto E Amicizia
12.Il Lavoro Della Bellezza
13.Alberi