国内のソニー・ミュージックから、18年のヴェルーノでのライヴ音源2曲をボーナスで加えてのリリース。バンコは、キーボードのノチェンツィ兄弟を中心に69年にミラノで結成され、71年にジャコモ達がいたサルディーニャ島出身のレ・エスペリエンツェと合体する形で、その後のグループの骨格が固まった。70年代当時、PFMと共に早くから国内盤もリリースされ、日本で最も知名度のあるイタリアン・プログレのビッグ・ネームの1つ。本作は、19年にEUインサイド・アウト/ソニーからリリースされた14枚目のアルバムで、ライナーは片山伸、曲目解説はヴィットリオ・ノチェンツィ、歌詞・対訳付、邦題は「トランシベリアーナ~シベリア横断、人生の旅路」。スタジオ盤としては94年「13」から25年振りの作品で、メンバーは、ヴィットリオ、トニー・ダレッシオ、フィリッポ・マルケジャーニ、ニコラ・ディ・ジャ、ミケランジェロ・ノチェンツィ、マルコ・カポッツィ、ファビオ・モレスコの7人編成、ヴィットリオ、マルケジャーニ、ディ・ジャの共同プロデュース。70年代の共産党への共鳴とそれへの弾圧から、マンティコアを介しての国外進出と挫折、近年のフランチェスコ・ディ・ジャコモとロドルフォ・マルティーゼの死、ヴィットリオの闘病など、バンドのヒストリーを鉄道でのシベリア横断に重ねたコンセプト作品的様相。キレのいいオルガンとピアノ、ドラマティックなプログレ感、引き締まった哀愁など、往年の70年代バンコ的要素が復活していて、わりと素直にカッコいいヘヴィ・シンフォニック調サウンドを展開。当世風の浮ついた感じがなく、濃密で重厚な仕上がりの好盤と思う。
国内盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Classic / Jewel-case CD(2019) / Sony Music/Japan)
Vittorio Nocenzi(p,org,vo)
Tony D'Alessio(vo)
Filippo Marcheggiani(g,vo)
Nicola Di Gia(g,ac-g,blka)
Michelangelo Nocenzi(kbd,programming,loop)
Marco Capozzi(b)
Fabio Moresco(ds)
Produced by Vittorio Nocenzi, Filippo Marcheggiani, Nicola Di Gia
収録曲目
01.Stelle Sulla Terra/地上の星
part1: La Partenza/旅立ち
part2: Cavalli Sull'altopiano/高原の馬
part3: Perche', Perche', Perche'/なぜなら、なぜなら、なぜなら
02.L'imprevisto/予期せぬ出来事
03.La Discesa Dal Treno/列車から降りて
part1: Fermi Ed Agitati Come Tende Al Vento/止まっては揺れる、風の中のカーテンのように
part2: Come Nell'Ade/黄泉の国にいるように
04.L'assalto Dei Lupi/狼の襲撃
05.Campi Di Fragole/イチゴ畑
06.Lo Sciamano/シャーマン
07.Eterna Transiberiana/永遠のシベリア横断鉄道
08.I Ruderi Del Gulag/グラーク収容所
09.Lasciando Alle Spalle/置き去りに
10.Il Grande Bianco/大雪原
11.Oceano: Strade Di Sale/大海~塩の道
bonus track(2018 Live At Veruno):
12.Metamorfosi/変身
13.Il Ragno/蜘蛛