USAのライディング・イージー・レコードから、デジパックでのリシュー。マジック・ポーションはメリーランド州ハバディグレイス出身のグループで、21年の配信で5曲入EP「アーリー・ワークス」をリリース、現在はボルティモアを拠点に活動しているようだ。本作は、24年にUSAライディング・イージー・レコードからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ドレスデン・ボールデン、トリストン・グローブ、ジェイソン・ケンドールのトリオ編成。結成以来同じメンバーなのかは判らないが、少なくとも前述のEPと同じ3人で、7曲目はEP収録曲のリメイク。概ね、ブラック・サバス色とレッド・ツェッペリン色が交叉する、ブルース基調のサイケ・ハードを展開していて、曲によってはブルー・チアーやバッジー辺りの要素も感じられる。ボーカルの線が細くドラムもそれほど重たくはないが、70年代的なファズ・ギターを軸としたアンサンブルは、ギター・トリオ然としたバンド感十分。巷ではドゥームやストーナー系として紹介されたりもしているようだが、サバス基調ながらゼップ的要素がちょっとしたアクセントになっていて、いわゆる一般的なドゥーム&ストーナー系とは趣を異にする印象。全曲作詞作曲のボールデンが中心のようだが、粘っこいベースや安定してボトムを支えるドラムと、いい塩梅の歪み具合のギターのバランスがよく、わりと演奏は素直にカッコいい。70年代的ツボを押さえた楽曲も、縮小再生産に陥らずそれなりに個性があって、ともかくも雰囲気がよいというか、サイケ&ハード系愛好家ならまずもって楽しめる好盤と思う。カッコよし!。
輸入盤
(Psyche Hard/Heavy Blues / Digi-Pack CD(2024) / Riding Easy Records/USA)
Dresden Boulden(vo,g,org)
Triston Grove(b,hmca,vo)
Jason Kendall(ds,per,vo)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Fever Dream
2.Empress
3.Love With A Wizard
4.Chateau Nights
5.Never Change
6.Pagan
7.Ultraviolet
8.Wild Perfumes