ドイツのワールド・イン・サウンドから、06年新規リマスターでのリシュー。多分初CD化。フィアー・イットセルフは、アトランタ出身の女性シンガーのエレン・マッキルウェインが中心となって、68年頃にニュー・ヨークで結成されたグループで、本作は69年にUSAドット・レコードからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、エレン・マッキルウェイン、クリス・ザルーム、ポール・アルバム、ビル・マッコードの4人編成で、プロデュースはトム・ウィルソン。7割がエレンのオリジナルで、他はジョン・リー・フッカー等のブルース・ナンバーのカヴァーなのだが、ジャニス・ジョプリンに勝るとも劣らないエレンの太くて達者なボーカルを軸に、弾きまくる炸裂ファズ・ギター、動きまくるファズ・ベース、ドカドカのドラムによるブルージー・サイケ・ハードを展開。動き過ぎるリズム隊や弾き過ぎのギターには少し云いたい事はあるものの、ともかくもエレンのボーカルが上等というか、太さとくぐもり感が同居する声、フェイクのハマり、歌い回しの上手さと深さはかなりのもので、この線としては文句なしに一級のカッコよさという印象。ブルースを基調としたマイナー進行の多い楽曲や、ギスギス感のあるサイケ然とした雰囲気もハマっていて、知名度はないだろうがB級ブルージー&サイケ・ハード愛好家なら素直に楽しめるだろう、女性ボーカル系ヘヴィ・サイケ&ハードの掘出し物的な好盤と思う。何と云うか、順序は逆だがカルメン・マキ&OZ辺りにも近いかも知れない。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche Hard/Heavy Blues,Psyche / Jewel-case CD(2006 Re-master) / World In Sound/German)
Ellen McIlwaine(vo,hmca,g,org)
Chris Zaloom(g)
Paul Album(b)
Bill McCord(ds)
Produced by Tom Wilson
収録曲目
01.Crawlin' Kingsnake
02.Underground River
03.Bow'd Up
04.For Suki
05.In My Time Of Dying
06.The Letter
07.Lazarus
08.Mossy Dream
09.Billy Gene
10.Born Under A Bad Sign