UKのシーリー・コート・デジタルから、テクスチャー紙見開きデジスリーヴでのリリース。22年新規リマスター盤、380枚限定プレス。ソーホー・オレンジは、おそらくスコットランドのフォルカークを拠点に短期間活動したグループ。本作は、71年にレコーディングされながらオクラ入となったアルバム用音源で、89年にドイツのウィッチ&ワーロック/WWR発掘音源盤CDで初めて知られることとなったが、メンバー達のライセンス許諾がなく、曲名や曲順も違っていたものを、今回スリーヴも含めライセンスの通った初の正規ヴァージョンとしてリリース。メンバーは、アラン・マクデイド、ブライアン・ケアンズ、アレックス・ガウ、イアン・コクランの4人編成、プロデュースはジム・ウエスト。概ね、ブルースを基調としながらもサイケ・マナーの強いハード調サウンドを展開していて、ルーズさとタイトさが交叉する炸裂系のバンド感を堪能出来る。セッション感を内包した演奏の盛り上がりや、勢いとノリ重視の擬似一発録り的ラウドネス、少し乾いた粉吹き系の音色などなど、おそらく同じスタジオでレコーディングされたボドキンに通底する感じもあって、この時期のフォルカーク周辺にはこの線のサイケな空気感が満ちていたのかも知れない。シンプルでハード然とした楽曲、多少プログレ色も交えたアレンジ、ファズ・ギターとハイトーン・シャウト・ボーカルを軸にヘヴィな盛り上がりを見せる演奏は、わりと素直にカッコいい。サイケ&ハード系愛好家ならまずもって楽しめるだろう、知られざるブリティッシュ・ハード系の好盤と思う。この後、コクランはフォルカークやグラスゴーでセッションマンとして活動、クリス・レインボウ等のアルバムに参加している。
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輸入盤/限定380枚プレス
(Psyche Hard/Heavy Psyche,Blues,Progressive / Digi-Sleeve CD(2022 Re-master) / Seelie Court Digital/UK)
Alan McDade(vo)
Brian Cairns(g)
Alex Gow(b)
Ian Cochrane(ds)
Produced by Jim West
収録曲目
1.King Of The Road
2.Voice Of Freedom
3.Sail On
4.Suburban Woman
5.Horse And Coke
6.End Of The Road