UKのシークレット・レコードからのリリース。フュージョン・オーケストラは、スタン・ランドとデイヴ・ベルが中心となって69年にロンドンで結成されたグループで、この後シャカタクで著名となるジル・サワードが在籍していたことで知られているかも知れない。本作は、タイトル通り74年8月26日にロンドンのマーキー・クラブで行われたライヴ音源を収録した発掘ライヴ盤で、ジル本人のライナーによると、16年のシャカタクの来日公演の際に、会場の物販コーナーにいたジルに「フュージョン・オーケストラのライヴ音源を持っている」と声をかけた日本人客がいて、その人所有のカセット・テープを元にした音源とのことらしい。メンバーは、ジル、ランド、ベル、コリン・ドーソン、ポール・ジェニングスの5人編成。73年唯一のアルバム「スケルトン・イン・アーマー」からベースが交代しているが、基本的な演奏のテイストは変わっておらず、技術的にも熟れてきて上手くなっている印象。「スケルトン~」からの2曲も含め、概ね畳み掛けるアレンジのプログレ・ハード的サウンドを、ノリのよい炸裂タイプの演奏で展開していて、ハード・ロック・マナーの強い演奏は、バンド感十分でわりと素直にカッコいい。音質・バランス共に悪くなく、全体のバタバタ感やジルの姉御肌の存在感なども変わらずで、「スケルトン~」が気に入った人はまずもって楽しめる好ライヴ盤と思う。また、8曲目は「チケット・トゥ・ライド」のカヴァーとなっているが、どう聴いても「デイ・トリッパー」。EUプレス盤
輸入盤
(Psyche Hard/Progressive,Blues / Jewel-case CD(2018) / Secret Records/UK,EU)
Jill Saward(vo,fl,p,el-p,12-g,per)
Colin Dawson(g)
Stan Land(g,sl-g,syn,hmca)
Paul Jennings(b)
Dave Bell(ds)
Produced by Unknown
収録曲目
01.Beginning End
02.Sister Reno
03.Talk To The Man In The Sky
04.To A Child
05.Set In The Rock
06.Spinedance + Drum Solo
07.Skeleton In Armour
08.Ticket To Ride
09.Whole Lotta Shakin'